研究実績の概要 |
本邦の大規模ナショナルデータベースであるJROAD-DPCを用いて不整脈診療の実態を明らかにする研究をまとめた論文を計3本2022年度に出版した. 皮下植え込み型除細動器の使用実態に関する報告(Tonegawa-Kuji R et.al., Heart Rhythm 2022), 植え込み型心電計の使用実態に関する報告(Tonegawa-Kuji R et.al., CJC Open 2022), また、心房細動アブレーションにおいて、低体重(BMI<18.5)が、重大な合併症の一つである心タンポナーデ発祥リスクであることを英文査読付雑誌に発表した(Tonegawa-Kuji R et.al., JACC CEP 2022). また、米国のナショナルデータベースであるNationwide Readmissions Database (NRD)の特徴を掴むために、まずはこのデータベース単独の解析を行った。リードレスペースメーカは2016年に発売された比較的新しいデバイスであり、その周術期合併症、院内死亡率、30日再入院率の経年変化を解析し、それらが高率であるが低下傾向であることを報告した(Tonegawa-Kuji R et.al., Canad J Cardiol. 2022). 上記の活動を介して、個々のデータベースの特性を理解した後に、二つのデータベースを用いて比較研究を行った。心臓植え込みデバイス5種(従来型ペースメーカ、リードレスペースメーカ、植え込み型除細動器、両心室ペースメーカ、除細動機能付き両心室ペースメーカ)の周術期合併症発生率、院内死亡率、30日以内再入院率を比較した(Tonegawa-Kuji R et.al., BMJ Open 2023). 本邦の周術期成績は米国と比較し概ね良好であったが、入院期間の長さが際立っていた。
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