研究課題/領域番号 |
22K16163
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
川崎 剛 千葉大学, 大学院医学研究院, 助教 (20586383)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | CD26 / Dipeptidyl peptidase 4 / 肺線維症 / 難治性呼吸器疾患 |
研究実績の概要 |
本研究では、難治性呼吸器病態の一つである肺線維症におけるCD26/Dipeptidyl peptidase-4 (DPP4)の役割の解明を目指して実験を遂行中である。具体的には肺構成細胞の培養実験、肺線維症モデルマウスを用いた動物実験を実施してきた。動物実験では、ブレオマイシン誘導肺線維症マウスを用いて、Dpp4KOの有無における肺線維症程度の差異について評価した。その結果、Dpp4KOマウスでは、野生型マウスに比較して肺線維症が軽度であった。培養実験では、siRNAによりCD26/DPP4発現を調節した肺線維芽細胞を用いて、フローサイトメトリー、定量的RNA解析、細胞増殖能アッセイなどにより線維化パラメータの相違の有無について評価した。その結果、肺線維芽細胞の培養実験では、siRNAによるDPP4ノックダウンにより、増殖能は低下し、コラーゲン関連遺伝子発現の抑制をみとめた。以上のことから、CD26/DPP4発現抑制により肺線維化が抑制されることが示され、線維芽細胞における抗線維化作用を介している可能性が示唆された。 主要な研究成果について2023年3月に論文発表し、2023年4月の国内学会、2023年5月の国際学会での発表した。CD26と呼吸器病態との関連や肺線維化に関連する研究についても展開し、論文発表に至っている。本研究の継続を通じて、引き続きCD26/DPP4を介した難治性呼吸器疾患の病態解明および新規治療戦略の構築に貢献したい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
動物実験、培養実験とも一定の結果がえられ、学会発表、論文出版といった実績の公開まで至っているため
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今後の研究の推進方策 |
動物実験、培養実験を継続して、CD26の肺線維化における作用機序について、詳細をさらに明らかにし、肺線維症の病態解明と新規治療戦略の基盤構築を目指す
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次年度使用額が生じた理由 |
費用のかかる解析を2024年度に持ち越したため
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