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2022 年度 実施状況報告書

間質性肺炎で誘導されるドライバー遺伝子異常に非依存的腫瘍促進的ゲノム異常の同定

研究課題

研究課題/領域番号 22K16166
研究機関東京医科歯科大学

研究代表者

本多 隆行  東京医科歯科大学, 東京医科歯科大学病院, 助教 (30827259)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワードゲノム解析 / 肺癌 / 間質性肺炎
研究実績の概要

本研究は、間質性肺炎合併肺癌(UIP_LADC)に高頻度に認めるゲノム異常の同定と、
腫瘍促進的な微小環境の本態の解明を目指したものである。先行研究から得られた知見であるNKX2-1含む肺サーファクタント関連遺伝子群の発現量低下を及ぼす遺伝子異常を全ゲノム解析により染色体構造異常(SV)のレベルも含めて解析を目指している。
当院の臨床手術検体症例を2例WGSに追加解析を行い、共同研究者が有するデータと統合を行っているところである。また、WGSによって得られる解析のメリットとして、1)点変異のみならず、挿入欠失を含むSVの検出が可能になること、2)エクソン領域以外における高頻度ゲノム異常の検出、が可能になることである。しかし、特に1)については、解析ソフトウェアによるばらつきが存在するため、いくつかのソフトウェアの比較を行い、本研究で用いる解析ソフトウェアの決定と検出基準等の設定のための予備的検討も行った。他研究で解析したWGSをコントロールとして検討したところSVの検出方法としては、Manta(Bioinformatics. 2016 Apr 15;32(8):1220-2)とGridds(Genome Res. 2017 Dec; 27(12): 2050–2060)を用いることにした。UIP_LADCの点変異情報から変異プロセスを推定するMutational Signature解析からは、喫煙者と同じ変異プロセスが示唆されたが、全変異数は重喫煙者と比較して少なく、別な発がん経路の存在が示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

症例数の増多が可能であったこと、解析手法の策定が進み、進捗はおおむね順調である。

今後の研究の推進方策

染色体構造異常等の検出ソフトウェアの策定が終わったため、これまで取得したWGSの生データからSVを含む遺伝子異常を同定して、特に肺サーファクタントに関連する遺伝子群
の変異集積性等に注目して解析を続ける

次年度使用額が生じた理由

前年度までの発注で予備的解析が済み、またソフトウェアの比較は共同研究者とin-houseで可能であった。次年度も引き続き症例集積を継続して、WGSの追加解析を目指すとともに、研究成果の発表の経費として使用予定である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2022

すべて 学会発表 (3件)

  • [学会発表] Mutations of RAS Signaling Genes and TP53 in Combination Have a Negative Prognostic Impact on Pathological Stage Ⅰ Non-small Cell Lung Cancer2022

    • 著者名/発表者名
      Takayuki Honda, Katsutoshi Seto, Satoshi Endo, Akira Takemoto, Kousuke Tanimoto, Rie Sakakibara, Takahiro Mitsumura, Masashi Kobayashi, Hironori Ishibashi, Johji Inazawa, Toshihiro Takana, Yasunari Miyazaki, Kenichi Okubo
    • 学会等名
      第20回臨床腫瘍学会学術集会
  • [学会発表] Whole genome sequencing of lung adenocarcinomas associated with usual interstitial pneumonia.2022

    • 著者名/発表者名
      Mochizuki A, Akifumi Mochizuki, Kouya Shiraishi, Takayuki Honda, Yukihiro Yoshida, Yasushi Yatabe, Syuzo Kaneko, Ryuji Hamamoto, Takashi Kohno
    • 学会等名
      第81回日本癌学会総会
  • [学会発表] 肺発生系表上の転写因子TTF-1/NKX2-1の変異と間質性肺炎合併肺腺がんの関連性肺発生系表上の転写因子TTF-1/NKX2-1の変異と間質性肺炎合併肺腺がんの関連性.2022

    • 著者名/発表者名
      望月晶史、本多隆行、宮崎泰成
    • 学会等名
      第58回日本肺サーファクタント・界面医学会

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公開日: 2023-12-25  

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