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2023 年度 実施状況報告書

輪状軟骨パターン形成メカニズムに基づく移植可能な気管組織創出への挑戦

研究課題

研究課題/領域番号 22K16171
研究機関大阪大学

研究代表者

古川 可奈  大阪大学, エマージングサイエンスデザインR3センター, 特任助教(常勤) (70807461)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワード気管 / 気管軟骨 / 再生医療
研究実績の概要

呼吸器を初めとした高度に組織化された臓器は、多くの移植を必要としている患者が長期間の待機を余儀なくされているにも関わらず、人為的な作成が困難な状況にある。発生学のこれまでの歴史から、各臓器形成において重要な因子やシグナル経路は明らかとなってきた。しかし、立体化や巨大化に必須である力学的メカニズムや細胞の的確な配置制御メカニズムの多くは未解明のままである。そこで本研究では、これまでの遺伝学的解析ではなく、細胞工学技術を活かし、これと分化誘導法と組み合わせることで生体に近い輪状軟骨パターンをもった移植可能な気管組織の創出を目指す。令和5年度では、より生体に近い形状の波形PDMSデバイスの作製を試み、目的形状の波形PDMSデバイスを作製することに成功した。加えて波形PDMSデバイスの細胞外マトリックスコーティング条件検討や伸展・収縮条件検討を行い、これとマウスES細胞の分化誘導法を合わせることでSox9陽性細胞を細長い形状で一定間隔のパターンをもって凝縮させることに成功した。令和5年度中に得られた人工気管組織シートのSox9陽性細胞凝集のパターンや形状は生体に近いが、平滑筋細胞の出現位置のコントロールを行うことでより一層生体に近い人工気管組織シートを得る事ができると考えている。次年度では、温度応答性ポリマー加工を施した波形PDMSデバイスの開発と、細胞外マトリックスの種類の検討、本研究の手法を合わせることで、人工気管組織シートをシート状で取得する方法を確立し、立体化を目指す。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

目的形状の波形PDMSデバイス作製に成功し、これを用いて生体に近いSox9陽性細胞凝集のパターンや形状を持った人工気管組織シートの創出を行うことが出来ているため。

今後の研究の推進方策

令和5年度の本研究の研究遂行により得られた生体に近いSox9陽性細胞凝集のパターンや形状を持った人工気管組織シートを、シート形状を保ちながら波形PDMSデバイスから剥離するために温度応答性ポリマーを波形PDMSデバイスにコーティングする必要がある。令和6年度は、まず温度応答性ポリマーのコーティング条件検討を行い、次に人工気管組織シートをシート形状を保ったまま回収する手法を確立し、最後に人工気管組織シートを立体化する方向で研究を進めていく。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2023

すべて 学会発表 (3件) (うち招待講演 2件)

  • [学会発表] 気管軟骨の“パターン”と“形”を生み出す謎を解く2023

    • 著者名/発表者名
      古川可奈
    • 学会等名
      第35回バイオエンジニアリング講演会
    • 招待講演
  • [学会発表] Solving the Mystery of Tracheal Cartilage “Patterns” and “Shapes”2023

    • 著者名/発表者名
      古川可奈
    • 学会等名
      The 61th Annual Meeting of the Biophysical Society of Japan
    • 招待講演
  • [学会発表] 気管軟骨の“形”を生む 気管間充織細胞の凝集メカニズムの解明2023

    • 著者名/発表者名
      竹島源斗、古川可奈、長谷川望、竹田宏典、松永大樹、出口真次
    • 学会等名
      第46回日本分子生物学会年会

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公開日: 2024-12-25  

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