本研究は肺の血管透過性制御にROCKが寄与することを明らかにした。本研究で明らかとなったROCKの機能をより詳細に解析することでARDSの治療薬開発基盤を構築することが期待される。また、ARDSのみならず敗血症・浮腫・アナフィラキシーショック・がん・糖尿病網膜症など血管透過性制御機構の破綻に起因する疾患の治療法開発への貢献も期待でき、波及効果が高い。 さらに、本研究では従来の培養細胞を用いた研究により明らかとなったROCKの機能とは異なる機能が生体内で認められることを明らかにした。本研究で解析したROCK遺伝子欠損マウスはROCKの分子機能の新しい概念の創出に資することが大いに期待される。
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