気道上皮構成細胞は、物理的な外界からの防御機構としての役割だけでなく、サイトカインや脂質などの刺激により免疫細胞の表現形を変化させることで多くの呼吸器疾患の病態形成に関与することが明らかになってきた。一方で、外界と常に接し、多くの刺激を受け続けている気道上皮細胞そのものの加齢による変化に対しての理解は、呼吸器疾患の病態メカニズムへの更なる理解を深めるために必要不可欠である。今回、気道上皮細胞のうち、とくに気管支上皮細胞では、加齢に伴い老化関連シグナルパスウェイが亢進しており、高齢者の喘息の病態に寄与することが示唆された。高齢者の喘息の新たな治療ターゲットの1つとして研究が進むことが期待される。
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