本研究ではメモリーγδT細胞の分子的特徴、及び過敏性肺炎における働きの解明を主目的としている。 2022年度は鳩糞抽出物(Piegon dropping extract)を用いて作製したPDE感作マウスを用いたメモリーγδT細胞の分子的特徴をリアルタイムPCRを用いて行った。その結果メモリーγδT細胞はCD69、CD103の発現が亢進していることが示唆された。またシングルセルRNA-seqによってさらなる詳細な解析を行ったところ、PDE感作マウスにPDEを再投与した場合、ナイーブなマウスに投与したときには見られなかったclusterの出現を確認した。現在シングルセル解析ソフトウェアを用いて同cluster中の分子発現傾向を解析中である。 さらにメモリーγδT細胞が異なる抗原に非特異的に反応している可能性を除外するため、PDEで感作したマウスにSaccharopolyspora rectivirgula(SR)を投与し、γδT細胞のサイトカイン産生を解析中である。 並行して、ヒトの過敏性肺炎患者検体中のγδT細胞の存在割合を解析を開始している。
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