研究課題/領域番号 |
22K16201
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
高須 清 順天堂大学, 医学部, 助教 (50421095)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 肺高血圧症 FGF23 |
研究実績の概要 |
肺高血圧症(PH)は慢性かつ進行性の難病であり、未だ詳細な病態が解明されていない疾患である。骨代謝系ホルモンのビタミンDや副甲状腺ホルモン(PTH)、線維芽細胞増殖因子(FGF)23は、互いに相互作用し血液中のCaやリンを制御している。近年これらのホルモン群が心脈管系に影響を及ぼす事が明らかとなりつつあり、ビタミンDがPH改善作用を持つ事や申請者によりPTHが肺血管障害を有しPHを増悪させる事が報告されている。一方、FGF23も心筋や血管を障害し心血管系疾患の増悪因子である事が分かっているが、FGF23とPHとの関係を検討した報告はされていない。そこで申請者は基礎検討でPH症例やPHモデル動物で血中FGF23濃度を測定したところ、FGF23濃度は右心負荷と相関している事実を見出した。本研究ではPHとFGF23の関連性を明らかにし、血中FGF23濃度をPHの重症度、予後予測マーカーとしての有効性とFGF23制御によるPH加療を検討することで、新規肺高血圧治療戦略の基盤構築を目指す。2022年度は低酸素PHモデルマウスに対し、血中FGF23濃度の変化が肺高血圧へ与える影響を検討した。抗FGF23抗体やアデノ随伴ウイルスを用いることで低酸素PHモデルの血中FGF23濃度を低下あるいは上昇させることが可能であることを確認し、現在解析中である。引き続き動物数を増やして検討を行っていく予定である
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
アデノ随伴ウイルスや抗FGF23抗体投与による血中FGF23濃度変化のための基礎検討に難渋している。
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今後の研究の推進方策 |
FGF23の血中濃度変化が肺高血圧へ及ぼす実験を、動物数を増やして解析していく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
基礎実験領域で使用する抗FGF23抗体は譲渡契約により使用可能となったため、試薬購入の使用額が少なくなった。次年度は、予定通り試薬の購入などを行い実験を試行していく予定である。
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