本研究は、Txn1遺伝子変異ラットにおける腎臓病発症・進展の病態および分子機構を解明し、新しいCKDモデル動物の開発を目標に行っている。 現在のところ、Txn1遺伝子変異ラットの雄のヘテロ接合型(hetero)および対照としてF344ラット(野生)の雄について、腎臓病に関わる身体的・血液・尿パラメーターの推移を解析している。生後4か月からクロロゲン酸(chlorogenic acid :CGA) を含む (0.5% wt/wt)もしくはCGA不含有の食餌を開始した。食事と水は自由に摂取させた。4つのグループ、hetero/normal、hetero/CGA 、wild/normal、wild/CGA、比較検討することにより、Txn1遺伝子変異ラット(hetero)の腎臓病を発症・進展に関しての解明を行うとともに、CGAの効果も検証した。体重は4~5か月齢でhetero群が有意に重かったが、月齢が進むにしたがって差はなくなってきた。血圧は6か月齢でhetero/normal群がwild/normal群と比較して有意な増加が確認された。血清のBUNとCREには6か月齢までには差は確認されなかった。尿のALB/CREとTotal ALBは4か月齢からwild群と比較してhetero群は有意な増加が確認されたが、CGAの効果は確認できなかった。 現段階での学術的な報告は行っていない。
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