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2023 年度 実施状況報告書

Txn1遺伝子ミスセンス変異による腎障害発症・進展機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 22K16219
研究機関岡山大学

研究代表者

竹内 英実  岡山大学, 医歯薬学域, 助教 (50794343)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワードTxn1遺伝子 / 腎障害
研究実績の概要

Txn1遺伝子変異ラットの雄のヘテロ接合型(hetero)および対照としてF344ラット(野生)の雄について、腎臓病に関わる各種パラメーターの推移を解析した。生後4か月からクロロゲン酸(chlorogenic acid :CGA) を含む (0.5% wt/wt)もしくはCGA不含有の食餌を開始した。4つのグループ、hetero/normal(n=14)、hetero/CGA(n=16) 、wild/normal(n=13)、wild/CGA(n=12)、にわけ、8か月齢および10か月齢で屠殺し、各群間で比較検討し、Txn1遺伝子変異ラット(hetero)の腎臓病を発症・進展に関しての解明およびCGAの効果も検証した。体重は4~5か月齢でhetero群が有意に重かったが、月齢が進むにしたがって差はなくなった。血圧は6か月齢でhetero/normal群がwild/normal群と比較して有意な増加が確認され、10か月齢では、hetero群はwild群に比べてSBPで約20mmHg高かった。血清BUNは8か月齢からhetero/normal群で著明に上昇したが、hetero/CGA群では上昇しなかった。尿ALB/CREは4か月齢からwild群と比較してhetero群は有意に増加した。hetero/CGA群ではhetero/normal群と比べてやや低いが、統計学的な有意差はなく、CGAの蛋白尿に与える効果は確認できなかった。Hbは10か月齢になって、hetero/normal群のみで有意な低下が認められた。つまり、hetero/normal群では、腎機能低下による腎性貧血が認められたが、CGAを投与することでHbの有意な低下が減弱した。以上のことから、Txn遺伝子変異による慢性腎臓病の進展が認められた。CGAを投与することで腎性貧血の発症は減弱した、と考えられる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

少しずつ実験結果もでてきており、おおむね順調な経過と考えている

今後の研究の推進方策

組織病理評価、酸化ストレス評価などの詳細な群間比較については、採取した組織を用いて今後実施していく予定。

次年度使用額が生じた理由

実験期間が10か月と長く、かつ目的とする産仔数を得ることに予想以上に時間がかかった。そういった理由で、当初の研究計画から少し変更が生じ、本年は経時的観察評価を主に実施することとなったため、組織評価に使用予定であった消耗品を購入せず次年度使用が生じた。令和6年度は、さらなる詳細な群間比較を行っていくにあたり、組織評価や酸化ストレスの評価などの費用に充てる予定である。

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公開日: 2024-12-25  

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