初年度は足細胞におけるCDKAL1の直接的な影響を評価するため培養足細胞を用いた検討を行った。具体的にはマウス由来腎臓足細胞(E11細胞)からCRISPR-Cas9システムを用いてCdkal1のノックアウトを行った。このノックアウト細胞から抽出したRNAでは、Cdkal1が修飾を付与するリジンtRNAのチオメチル化修飾が消失していた。その後、ノックアウト細胞株を用いてネフリンやポドシンを含む足細胞機能に重要なタンパク質を中心とした発現評価を、トランスクリプトーム解析およびプロテオーム解析の両解析を用いたオミックス解析で行った。その結果、各タンパクのリジン含有量が多いほど、ノックアウト細胞における発現量が低下することを明らかにした。またRNAの発現量には変化を認めなかった。Cdkal1ノックアウト細胞株の足細胞機能評価を行うためwound healing assayを行ったところ、ノックアウト細胞において有意に細胞移動速度が低下していた。 次年度以降は、今回作成したCdkal1ノックアウト細胞に野生型のCdkal1を強制発現させる相補実験を行うことでこれらの表現型が改善するかを評価する。また全身型Cdkal1ノックアウトマウスを用いて5/6腎臓適出やシスプラチン投与による腎機能に変化を評価する。
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