腹膜中皮細胞(PMC)の発生の系譜に沿って、まず側板中胚葉(LPM)ステージまで分化させてからPMCへ誘導したところ、誘導したPMC(iPMCs)はPMCマーカーの蛋白質であるCK-18、MSLN、WT1が発現していた。さらにiPMCsを継代すると、低分子には透過性を示すが、高分子には低透過性しか示さない均一な成熟細胞集団が形成され、細胞形態も初代培養PMCと類似していた。また物質の半透過性も有しており、腹膜透析における腹膜機能低下も改善し得ることが期待できる結果であった。メチルグリオキサールを用いることによって腹膜機能低下モデルマウスに対するiPMCs投与の有用性の検討が今後の課題である。
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