研究課題/領域番号 |
22K16230
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研究機関 | 藤田医科大学 |
研究代表者 |
大山 友香子 藤田医科大学, 医学部, 講師 (70879717)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | IgA腎症 / 粘膜関連リンパ組織 / DSS / 短鎖脂肪酸 |
研究実績の概要 |
近年、IgA腎症の病態において粘膜関連リンパ組織の関与が指摘されている。本研究は粘膜微生物叢によって産生される代謝物の一つである短鎖脂肪酸に着目した。短鎖脂肪酸は制御性T細胞を介して抗炎症効果をもたらすことが報告されている。そこで、本研究では、慢性炎症性腸炎によって生じる消化管微生物叢変化を介した短鎖脂肪酸変化がIgA腎症の病態にもたらす影響を明らかにすることを目標とする。 本年度は、14週齢のHIGAマウスを用いてデキストラン硫酸ナトリウム(DSS)による慢性炎症性腸疾患モデルを作成した。 HIGAマウスではDSS高濃度群でDSS投与終了後から血中IgA値上昇が認められ、結腸粘膜固有層および粘膜下層におけるIgA産生細胞の増加が認められた。 腎組織を解析すると、DSS投与群ではControl群に比してオックスフォード分類Mスコアが有意に高く、メサンギウム領域のIgA・IgG沈着が有意に強く認められた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
HIGAマウスを使って、DSSを用いた慢性炎症性腸疾患の誘導、血中IgA値の増加、糸球体沈着IgAの増加が誘導できた。
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今後の研究の推進方策 |
今回のモデルでは腎糸球体IgA沈着亢進が誘導できた。 本モデルを用いて、①IgAの糖鎖変化、②結腸におけるFoxp3発現、IL-10発現変化、③粘膜微生物叢変化、④短鎖脂肪酸組成変化を確認する予定である。 また、本モデルでは補体C3の沈着亢進が認められなかった。補体代替経路の活動性をあげる手法を検討していく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
短鎖脂肪酸測定と微生物叢解析を次年度に回したため。
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