先行研究から先行する糸球体内皮障害が上皮細胞障害へ関与することを見出した。特に上皮細胞の形態変化には細胞骨格のremodelingが重要であり、TRPC6を介したCa2+流入が関与していることを示唆する。また糸球体内皮障害ではbioavailable NOの低下が起きる。その結果、糸球体上皮細胞におけるsGC-PKG経路の活性化が減弱することが想定される。以上の事実からeNOS-NO-sGC経路による糸球体上皮細胞TRPC6依存的Ca2+流入制御機構に注目した。「腎症初期に認められる糸球体内皮細胞障害が腎症進行に重要な糸球体上皮細胞障害を惹起するメカニズムは何か?」を本研究の命題としたい。
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