| 研究課題/領域番号 |
22K16234
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| 研究機関 | 新潟大学 |
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研究代表者 |
渡辺 博文 新潟大学, 医歯学総合病院, 専任助教 (20911978)
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| 研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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| キーワード | 腎臓 / IgA腎症 / エピゲノム |
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| 研究実績の概要 |
IgA腎症は、腎臓の糸球体メサンギウムへのIgA沈着を特徴とする、最も頻度の高い一次性慢性糸球体腎炎である。IgA腎症の発症・進展メカニズムは未だに解明されていない。糖鎖不全IgA1の増加とそれに対する内因性抗体による免疫複合体の形成がIgA腎症の発症に関連すると考えられている。近年、応募者らは、口蓋扁桃における一部の細菌に対する免疫応答異常がIgA腎症の病態に関連していることを報告した。しかし、なぜ免疫応答異常が生じるのか、免疫細胞の異常が糖鎖不全IgA1などの抗体産生にどのように影響を与えるのかは不明である。一般に、各種の環境要因は核内のヒストン修飾などのエピゲノムに影響を与えることが知られ、エピゲノム解析により様々な疾患での細胞の形質・遺伝子発現調節異常が明らかになってきている。
本研究では、IgA腎症患者の末梢血や口蓋扁桃内のリンパ球に焦点をあて、網羅的エピゲノム解析を行う。IgA腎症患者のリンパ球が正常のリンパ球とどう違うのか、治療を行うことでエピゲノム修飾の状態がどのように変化するのかなどを明らかにする。これによりIgA腎症の新たな病態メカニズムが解明できる可能性がある。
今年度は、エピゲノム解析を行うにあたり、検体収集と実験の条件検討を行った。IgA腎症患者の口蓋返答・リンパ球の検体収集とエピゲノム解析用ライブラリの作成を行っている。また、末梢血からのリンパ球の単離やその後のエピゲノム解析について、実験の条件検討を行っている。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度はエピゲノム解析を行うあたり検体収集と実験の条件検討を行っている。コントロール群の末梢血からリンパ球の単離を行い、問題なく実験に使用できることを確認している。単離したリンパ球を用いて、核内のヒストン修飾の網羅的解析に向けたライブラリ作成を行っている。IgA腎症患者のサンプルや臨床情報の収集を継続して行っている。実際の検討に向けた準備が整いつつある。
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| 今後の研究の推進方策 |
現在までに確立した実験プロトコールを用いて、IgA腎症患者、コントロール検体でのリンパ球のエピゲノム解析のためのライブラリ作成を進めていく。ある程度の症例数が集まった段階でシークエンスを行う。結果を評価し、条件を再検討するとともに研究を発展させていく予定である。
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| 次年度使用額が生じた理由 |
研究室ですでに所有している試薬を使用して予備実験等を行ったため、予算を次年度に繰り越すことにしました。次年度ではサンプル数を増やし、今年度より数多く実験を行う予定です。
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