研究課題/領域番号 |
22K16241
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
近藤 淳 神戸大学, 医学研究科, 特命助教 (30936076)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | Gitelman症候群 / SLC12A3遺伝子 / 低カリウム血症 / 遺伝学的検査 / QOL |
研究実績の概要 |
本研究では、まず網羅的遺伝子診断体制の確立によるGitelman症候群患者の遺伝学的情報および臨床情報の蓄積が必要である。 我々は、日本全国からGitelman症候群をはじめとした遺伝性塩類喪失性尿細管機能異常症やその他の遺伝子腎疾患について、次世代シークエンサーとサンガーシークエンスを用いて病原性変異の有無を確認するシステムを確立している。さらに、上記遺伝学的検査にて確定診断に至らなかったGitelman症候群の疑診例に関しては、適宜RNAシークエンスやdeep intron解析を行うことで、網羅的遺伝子診断体制を確立した。 また、Gitelman症候群の有病率が日本人において1000人当たり約1.7人と高い可能性が示されたためか、本研究開始時から着実に症例数は増加し、検査依頼件数は明らかに増加しており、さらなる情報蓄積が期待される。 さらに、アンケート調査についても、遺伝学的検査依頼受領時に取得していた既存の調査票に、患者の自覚症状にフォーカスした調査票を追加し、Gitelman症候群の遺伝子型と臨床型の相関などの解明を進めている。QOL評価についてはEuroQolグループの許諾を得たアンケート用紙を基にした情報収集を進めており、今後は診断や治療の前後でのQOL変化も含めて評価を行う方針である。 上記のように集積された新たなデータを用いて、遺伝子型と臨床型の相関および疾患の特徴や治療効果など、これまで明らかにされてこなかった疾患の特徴を明らかにするとともに、これまでになかったスコアリングによるGitelman症候群の診断クライテリアの作成を目指す。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究では、まず網羅的遺伝子診断体制の確立とGitelman症候群患者の遺伝学的情報および臨床情報の蓄積が必要である。 我々は、日本全国からGitelman症候群をはじめとした遺伝性塩類喪失性尿細管機能異常症やその他の遺伝子腎疾患について、次世代シークエンサーとサンガーシークエンスを用いて病原性変異の有無を確認するシステムを確立している。上記遺伝学的検査にて確定診断に至らなかったGitelman症候群の疑診例に関しては、適宜RNAシークエンスやdeep intron解析を行っており、網羅的遺伝子診断体制を確立した。また、本研究開始時から着実に症例数は増加し、検査依頼頻度は明らかに増加している。 また、アンケート調査についても、遺伝学的検査依頼受領時に取得していた既存の調査票に、患者の症状とQOLにフォーカスした調査票を追加したことで、Gitelman症候群の遺伝子型と臨床型の相関などの解明を進めている。 以上のように、データベースの作成は順調に進展しているが、本疾患の遺伝子型と臨床型の相関や、それらを基にした診断クライテリアの作成については今後進展させる方針としており、上記区分とした。
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今後の研究の推進方策 |
本研究では、まず網羅的遺伝子診断体制の確立とGitelman症候群患者の遺伝学的情報および臨床情報の蓄積が必要であるため、患者のQOL情報も含めたデータベースの作成を引き続き進めていく。さらに、この情報をもとに本疾患の遺伝子型と臨床型の相関や、これまでにない診断クライテリアの作成を進める。
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次年度使用額が生じた理由 |
当該差額 6,7010円については、研究用試薬の購入費用としての使用を予定しているが、購入予定試薬費用に十分でなかったため、次年度交付金と合わせて購入を予定している。
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