研究実績の概要 |
腎移植患者49名の移植後1年目の血中アディポネクチンおよび血中小胞体ストレスマーカーCHOPを測定し、サルコペニア指標[筋肉内脂肪組織含有量(IMAC)]ならびに移植腎機能との相関を検討した。 移植後1年目の高分子量アディポネクチンは、移植後1年目のIMAC(r=0.44[95%CI:0.18~0.63], P=0.001)および移植後5年目のIMAC(r=0.36[95%CI:0.10~0.58], P=0.009)との間に正の相関を認めた。 移植後1年目のCHOPは、移植後1年目のIMAC(r=-0.37[95%CI:-0.58~-0.10], P=0.008)、移植後5年目のIMAC(r=-0.33[95%CI:-0.56~-0.07], P=0.016)、ならびに移植後1年目から5年目のeGFR年間平均変化量(r=-0.43[95%CI:-0.63~-0.18], P=0.001)との間に負の相関を認めた。 以上の結果からは高分子量アディポネクチン高値がIMAC悪化と関連し、小胞体ストレスマーカーCHOP高値がIMAC改善および移植腎機能悪化と関連することが示唆された。
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