紫外線で角化細胞から誘導される物質(FICZ)が皮膚T細胞性リンパ腫(CTCL)において腫瘍細胞、腫瘍随伴性マクロファージ(TAMs)に与える影響を調べた。FICZ刺激で誘導される物質にPAI-1、MMP-9など血管新生因子が含まれていた。CTCL(腫瘤期)の血清ではPAI-1が有意に上昇し、MMP-9がPAI-1の増加に並行して増加していた。TAMsに対するPAI-1の作用を検証したところ、PAI-1はMMP-9の産生を増加させた。さらにPAI-1はCTCL細胞株においてMMP-9の産生を増加させ、MMP-9をマウスCTCLモデルで抑制すると腫瘍内の血管内皮細胞が減少することが確認された。
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