本研究ではまず、野生型LIPHと5つの変異型LIPHの発現ベクターを作製し、培養細胞で発現解析を行った。その結果、3つの変異型LIPHは細胞外に全く分泌されないことが分かった。また、詳細な共免疫沈降法を行った結果、C末端側の変異であるV437Gfs*4のみC3orf52との結合能が著しく低下し、LIPHとC3orf52は互いのC末端で結合することが判明した。なお、C3orf52は毛包内毛根鞘のヘンレ層に主に発現していた。最後に、変異型LIPHが下流のシグナル伝達系に及ぼす影響について機能解析を行った。その結果、いずれの変異型LIPHでも下流のTGFαの分泌量が著しく低下することが分かった。
|