本研究課題は、クローン性造血の発症における老化造血幹細胞に対する訓練免疫の役割を明らかにすることを目的に、骨髄を含めた全身でヒト造血の評価が可能なヒト化マウスモデルを作製した。本モデルを用いたがん異種移植モデルにおいて、骨髄から分化した骨髄系細胞の著しい浸潤を認めたことから、担がん下もしくは病原体刺激下でのヒト骨髄系細胞、特にCD34+造血幹細胞に由来するマクロファージの役割の解明を中心に解析を行なった。その結果、訓練免疫で見られるようなヒトマクロファージの代謝の変化を見出したことから、本モデルはヒト造血系における訓練免疫の役割の解明につながることが期待される。
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