研究課題/領域番号 |
22K16307
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研究機関 | 琉球大学 |
研究代表者 |
西 由希子 琉球大学, 病院, 助教 (60793924)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | senolysis / 悪性リンパ腫 |
研究実績の概要 |
80週齢の雌C57BL6/Jマウスの右側腹部にEL4細胞(B6由来T細胞リンパ腫細胞)を皮下注射し、老齢リンパ腫モデルを作製した。モデルマウスを①BPTES+CHOP群 ②BPTES単独群 ③CHOP単独群 ④コントロール群(無治療)に各群6匹ずつにわけ、BPTES+CHOP群及びCHOP単独群には移植後8日目、15日目、22日目にCHOP療法を施行し、BPTES+CHOP群及びBPTES単独群にはグルタミン代謝阻害薬としてBPTES (GLS1阻害薬)を週3回、移植後3週間にわたり腹腔内投与した。コントロール群の全例でEL4生着、腫瘍死を認めたが、BPTES単独群で腫瘍の生着が確認されず長期生存が得られたマウスを1/3に認めた。CHOP+BPTES群ではCHOP単独群と比較し、生存に関しては有意な延長を認めなかったが、CHOP+BPTES群でCHOP単独群と比較し白血球数、血小板数が高値である傾向を認めたが、有意差は明らかでは無かった。化学療法にBPTESを併用することで、化学療法による血球減少を軽減できる可能性を検討したが、本研究の薬剤投与量がマウスの骨髄抑制誘導には十分でなく、差が明らかとならなかった可能性が考えられた。造血能とsenolysisの関連や、肝・腎・心など臓器機能への影響は今後の検討課題であるが、高齢リンパ腫マウスモデルにおいて、BPTESは抗腫瘍効果と血球減少の軽減をもたらす可能性が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
予備実験を裏付ける動物実験を複数回繰り返すことが出来た。
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今後の研究の推進方策 |
BPTESを添加した培地で腫瘍細胞の培養実験を予定している。
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次年度使用額が生じた理由 |
老齢マウスを必要数入手することが困難な時期があったため
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