近年、血液腫瘍・がんに対する分子標的薬が開発されてきた。しかし、分子標的薬で治療しても治療抵抗性の細胞が増殖し、根治がしばしば困難である。したがって、本研究ではがんと正常細胞の生存に必須な遺伝子を同定することで、重篤な有害事象を抑えながらも多彩ながんに奏功する新規治療法の開発を目指している。まず、がんのデータベースよりがんの生存に重要な遺伝子を907遺伝子同定した。さらに、造血幹細胞においてスクリーニングを実施し、がんの生存には必須であるが、造血幹細胞の生存には必須ではない49遺伝子と不利な11遺伝子を同定した。今後、同定した遺伝子より有望な治療標的を見出したいと考えている。
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