研究課題
前年度に樹立したビオチンリガーゼ-HBZ融合タンパク質安定発現細胞株を用いて、近接依存性標識法によるHBZ結合タンパク質の網羅的ビオチン化、ストレプトアビジンによるHBZ結合タンパク質の濃縮、質量分析による結合タンパク質の同定を行った。複数の候補タンパク質を同定しており、共免疫沈降にて、HBZとの結合の確認を進めている。また、前年度に免疫沈降にてHBZとの結合を確認したJDP2に関して、HBZの転写活性に及ぼす影響をレポーターアッセイにて解析し、HBZによるAICE motif活性化能に対して抑制的に作用すること見出した。Jdp2ノックアウトマウスを理研バイオリソースセンターより入手し、HBZトランスジェニックマウスとの交配を進めている。
2: おおむね順調に進展している
HBZと結合する宿主タンパク質を複数同定しており、その機能解析も順次進めている。JDP2に関してはマウスモデルの作成に着手しており、概ね順調に進んでいる。
これまでの実験にて同定したHBZ結合タンパク質に関して、臨床検体における同定遺伝子の発現及び細胞内局在の解析、ATL細胞株における同定遺伝子のノックダウンによる細胞形質の変化やHBZの局在変化の解析を行い、ATL細胞における役割を明らかにする。HBZトランスジェニック/JDP2ノックアウトマウスの表現型を解析し、HBZの病原性発現機構におけるJDP2の意義を解析する。また、得られた実験結果を用いて、論文作成に着手する。
令和5年度に行った近接依存性標識法と質量分析によるHBZ結合タンパク質のスクリーニングにより、当初予想した以上の数の候補タンパク質の同定に成功した。令和6年度に、それらの結合の確認及びその意義を順次解析する予定としており、研究試薬(消耗品)を購入するために研究費を繰り越す必要があった。
すべて 2023
すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (5件)
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