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2022 年度 実施状況報告書

包括的凝固線溶解析を基盤とする播種性血管内凝固とCOVID-19の治療戦略の構築

研究課題

研究課題/領域番号 22K16330
研究機関奈良県立医科大学

研究代表者

大西 智子  奈良県立医科大学, 医学部附属病院, 研究員 (60645589)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワード播種性血管内凝固 / DIC / COVID-19 / 敗血症 / 血液腫瘍 / 凝固 / 線溶 / 凝固線溶波形解析
研究実績の概要

DIC症例、COVID-19症例を集積し、凝固/線溶評価を行った。
DIC症例では敗血症性DICだけでなく、悪性腫瘍、大量出血に伴うDIC、及び分娩に関連したDICの症例を解析した。解析は、凝固線溶波形解析及びトロンビンプラスミン生成試験を用いて評価した。敗血症性DICでは線溶機能の著しい低下が特徴的で、凝固/線溶バランスは相対的に凝固に傾く症例が主体であった。血液腫瘍では線溶の著明な亢進が特徴的で相対的に線溶優位の状態であった。大量出血に伴うDICはバランスは保たれいているものの凝固/線溶機能ともに著明に低下していた。
COVID-19では患者160例(重症13例、中等症77例、軽症70例)を対象に、CFWAを用いて包括的な凝固・線溶機能を評価した。すべての重症度で凝固能(min1 ratio)で上昇し、凝固機能の亢進を示し、特に重症および中等症例で顕著であった[中央値1.61(重症), 1.61 (中等症), 1.27 (軽度)]。線溶機能である|FL-min1比もすべての重症度で上昇し、特に重症例と中等症例で線溶機能の亢進を示した[中央値1.40(重症)、1.37(中等)、1.18(軽症)]。全体として、重症例と中等症例は凝固機能優位の状態であったが、軽症例は両機能のバランスが取れていた。線溶が著しく低下する敗血症性DICとは大きく異なる結果であった。凝固線溶バランスを評価することで、治療選択に貢献できると考える。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

DIC症例は敗血症の症例に偏ってはいるものの、概ね集積できている。
解析は予定通り行っている。

今後の研究の推進方策

DIC、COVID-19症例の凝固/線溶バランスを経時的に評価し、治療効果がでているかの確認を行う。
また患者血漿に、抗凝固薬などの薬剤をin vitroに添加し、凝固/線溶バランスの是正を確認する。

次年度使用額が生じた理由

患者血漿の測定と解析を行う予定であり、試薬購入の費用として使用額が生じています。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2022

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] The balance of comprehensive coagulation and fibrinolytic potential is disrupted in patients with moderate to severe COVID-192022

    • 著者名/発表者名
      Tomoko Onishi
    • 雑誌名

      International Journal of Hematology

      巻: 115 ページ: 826-837

    • DOI

      10.1007/s12185-022-03308-w.

    • 査読あり

URL: 

公開日: 2023-12-25  

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