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2023 年度 実施状況報告書

包括的凝固線溶解析を基盤とする播種性血管内凝固とCOVID-19の治療戦略の構築

研究課題

研究課題/領域番号 22K16330
研究機関奈良県立医科大学

研究代表者

大西 智子  奈良県立医科大学, 医学部, 助教 (60645589)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワードDIC / 播種性血管内凝固 / 抗凝固療法 / CFWA / 凝固線溶波形解析 / COVID-19
研究実績の概要

DIC治療は基礎疾患の治療に加え支持療法が重要となる。支持療法は、抗凝固療法、抗線溶療法、凝固因子補充療法、など多彩かである。我々は、抗凝固薬(トロンボモジュリン:rTM)を患者血漿にin vitroで添加し、CFWAを行い、凝固線溶バランスの是正度合いを確認した。rTMに対する反応が良好、バランスの是正が強い(高感受性)と反応が不良(低感受性)に分けられた。感受性に影響する因子を模索することで、予後予測因子となり得ることが予想された。
またCOVID-19患者では、凝固および線溶機構が亢進している。われわれは、凝固線溶波形分析(CFWA)を用いて、入院時のCOVID-19患者167例(軽症/中等症/重症それぞれ62/88/17例)の血漿中のグローバルな凝固および線溶を評価した。最大凝固速度(|min1|)と最大線溶速度(|FL-min1|)は、正常血漿に対する比として表した。min1|比はすべてのカテゴリーで上昇し(1.27/1.61/1.58)、凝固能の亢進と一致しており、軽症患者と中等症から重症患者の間で有意差が認められた。FL-min1|比はすべての群で上昇し(1.19/1.39/1.40)、線溶能の亢進を反映していた。これらのデータから,中等症から重症例では凝固優位の状態であるが,軽症例では凝固と線溶のバランスのとれた状態であることが確認された。FDPとTATには有意差がみられたが、|min1|や|FL-min1|比には血栓症の有無による有意差はみられなかった。CFWAによる凝固および線溶動態のモニタリングは,従来の臨床検査と組み合わせることで,COVID-19患者の止血変化や病状を理解するための貴重なデータとなりうる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

患者検体は予定通り回収することができ、解析は進んでいる

今後の研究の推進方策

COVID-19の患者血漿に対する抗凝固薬の効果を検討する。バランスの是正についてDICと異なる点があるか、またバランスの是正に寄与する因子を発見することで、患者予後の予測が可能となる

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2024 2023

すべて 雑誌論文 (2件)

  • [雑誌論文] The effects of emicizumab on in vitro coagulation and fibrinolysis parameters in patients with disseminated intravascular coagulation with and without addition of anti‐FVIII antibody2024

    • 著者名/発表者名
      Onishi Tomoko、Shimo Hanako、Harada Suguru、Nogami Keiji
    • 雑誌名

      Haemophilia

      巻: 30 ページ: 836~844

    • DOI

      10.1111/hae.14997

  • [雑誌論文] The in vitro effect of anticoagulant agents on coagulation and fibrinolysis in the presence of emicizumab in the plasmas from patients with haemophilia A2023

    • 著者名/発表者名
      Onishi Tomoko、Harada Suguru、Shimo Hanako、Tashiro Yoshihito、Soeda Tetsuhiro、Nogami Keiji
    • 雑誌名

      Haemophilia

      巻: 29 ページ: 1529~1538

    • DOI

      10.1111/hae.14877

URL: 

公開日: 2024-12-25  

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