研究課題/領域番号 |
22K16348
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研究機関 | 京都府立医科大学 |
研究代表者 |
木田 節 京都府立医科大学, 医学部附属病院, 専攻医 (20848501)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | ANCA関連血管炎 / 顕微鏡的多発血管炎 / 多発血管炎性肉芽腫症 / 好酸球性多発血管炎性肉芽腫症 / レジストリ |
研究実績の概要 |
ANCA関連血管炎は全身の諸臓器を障害する難治性疾患で、本邦では高齢者を中心に近年増加傾向にあり、その臨床像は多様性に富む。COVID-19パンデミック下で不確実性が増している医療現場において、個々の患者や地域の特性に応じて診療を最適化するためのリアルワールドエビデンスが求められている。本研究では新たにANCA関連血管炎の疾患レジストリを構築し、病態解明や、患者特性に応じた個別化医療、パンデミック下における最適な治療戦略の提唱につながる知見を発信していくことを目的とする。 本年度は、国内24の医療機関で2017年~2020年に診断した680症例についての診療情報を収集し、データベースの構築を行った。現在、構築されたデータベースを用いて分析と検証を開始している。一例として、ANCA関連血管炎の初期の死因として重要な感染症の低減につながる新たな知見として、治療後に生じる低IgG血症の意義について明らかにした。また、ANCA関連血管炎の臓器病変の一つである肥厚性硬膜炎について、合併割合や臨床像を明らかにし、論文化を行った。引き続き様々な臨床疑問についての分析を行っている。 今後、2021年以降の症例についてもデータ収集を行っていくことで、パンデミック前後の比較も含む、多彩な臨床疑問を解決可能なリアルワールドデータベースが創出され、以てANCA関連血管炎の患者の生活の質の向上に資することを目指せると考えている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初予定通りのペースでデータベースの構築とこれを用いた分析が進行している。
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今後の研究の推進方策 |
引き続きパンデミック後の症例についてデータ収集を行い、さらなる分析と検証を行っていく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
パンデミックにより、学会発表はオンラインで行えたため旅費は生じなかった。次年度に学会発表を行うため、旅費は次年度に執行する予定とした。 また、データ収集に関する物品費や人件費なども次年度に執行する予定である。
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