研究課題/領域番号 |
22K16369
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
青木 亜美 新潟大学, 医歯学系, 助教 (60827674)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | COVID-19 / 抗Ⅰ型IFN抗体 / エピトープ / 単一細胞RNAシークエンス / 罹患後症状 |
研究実績の概要 |
抗Ⅰ型IFN抗体はCOVID-19の重症化要因であると考えられているが、COVID-19の罹患後症状や予後にもたらす影響や抗Ⅰ型IFN抗体による重症化機序や抗体の病原的意義は十分に解明されていない。 本研究では、COVID-19診療において非常に重要な医療資源の適正分配や重症患者への適切な医療介入を実現するために、COVID-19の重症化リスク因子である抗Ⅰ型IFN抗体による重症化メカニズムの解析及び抗Ⅰ型IFN抗体産生機序の解明、抗Ⅰ型IFN抗体陽性患者の罹患後症状と予後調査を行い、抗Ⅰ型IFN抗体によるCOVID-19の病態形成機序と臨床的意義を明らかにすることを目的としている。 集積したCOVID-19患者由来の血液検体から免疫細胞のsingle cell RNA sequencingを行い、解析を行った。抗Ⅰ型IFN抗体陽性患者では抗体を持たない患者に比べて単球や樹状細胞におけるⅠ型IFNシグナリングが低下していた。Ⅰ型IFNシグナルはウィルス防御に重要であり、そのシグナルの低下が新型コロナウィルスの重症化の一因になっていることが示唆された。また、IFN-α2のペプチド断片を用いて、抗Ⅰ型IFN抗体の抗原認識エピトープを解析し、特定のエピトープへの反応が認められた。さらに罹患後症状の調査や抗Ⅰ型IFN抗体陽性者の時間的変遷を明らかにするために、前向き後ろ向きにCOVID-19患者の検体の集積を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
予定していた解析を順調に行うことができた。新たな症例集積にはやや難渋している。
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今後の研究の推進方策 |
COVID-19を巡る時代の変遷に対応し、抗Ⅰ型IFN抗体が社会にもたらす影響を検討する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
産休・育休を取得したため、研究を中断した期間があり、予定していた研究費を使用しなかった。本年度は、症例集積時や罹患後調査時、及び抗体の有無を測定する実験に関連して必要となる助成金を使用する見込みである。
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