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2022 年度 実施状況報告書

翻訳制御を基盤としたmRNAワクチンプラットフォームの構築

研究課題

研究課題/領域番号 22K16388
研究機関国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所

研究代表者

野木森 拓人  国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所, 医薬基盤研究所 ワクチン・アジュバント研究センター 免疫老化プロジェクト, 協力研究員 (20870653)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワードmRNAワクチン / 翻訳制御 / 非翻訳領域
研究実績の概要

mRNAワクチンは新型コロナウイルスに対する予防に適用されるなど、新たなワクチンモダリティとして注目されている。mRNAワクチンは迅速に作製可能であり、そのコード領域を改変することで様々な感染症や疾患に対応できる可能性を有していることから、特に今後出現する可能性のある新興・再興感染症に対して有用であると考えられる。一方、mRNAワクチンは、その副反応の発現頻度が高いこと、海外依存度が高く本邦における供給量が安定していないことが問題として挙げられている。その上で、国内でmRNAワクチン開発を目指すためには、出来る限り少ない原材料を用いて、かつ投与量を少しでも減らすことができるように、いかに細胞内でのmRNA発現効率を高めることができるかが課題である。
そこで本研究では、mRNAワクチンに最適な非翻訳領域(UTR)をデザインした上で、mRNA鎖長の異なる様々な抗原を安定的に発現させる方法の確立を目指す。実験動物でもそのmRNAワクチンの安全性、免疫原性を評価することで、mRNA発現効率化によるmRNAワクチンデザインの最適化を行い、より有効で安全なワクチン開発基盤の構築を目指している。
これまでに、Ribosome profilingのデータベースに登録されているものの中から、ヒト骨格筋細胞およびHeLa細胞を用いたデータを使用し、すべての遺伝子の翻訳効率をそれぞれ算出した。その結果、骨格筋細胞で特異的に翻訳効率の高い遺伝子を同定した。得られた遺伝子の非翻訳領域を搭載するLuciferase mRNAを合成し、293A細胞およびC2C12細胞に導入後、Luciferaseの発光量を測定した結果、高い発現を示すUTRを複数種同定した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初の計画通り、必要とされる実験技法であるin vitro転写によるmRNA合成およびLNPへの封入の実験系を確立した。また、データベースから得られた遺伝子のUTRを搭載するmRNAを合成し、培養細胞での一次スクリーニングを達成するに至り、計画通り進展している。

今後の研究の推進方策

今後は、マウス及びヒト由来のさまざまな抗原提示細胞 (KG-1細胞, DC2.4細胞など)や筋肉細胞を用いて、293A細胞およびC2C12細胞で同定した翻訳効率の高いUTRを搭載したmRNAの翻訳動態を、Luciferase assayにより検証する。またin vivoでの翻訳効率を測定するためのマウスを用いた生体イメージング手法を確立する。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2023 2022

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (5件)

  • [雑誌論文] Functional changes in cytotoxic CD8+ T-cell cross-reactivity against the SARS-CoV-2 Omicron variant after mRNA vaccination2023

    • 著者名/発表者名
      Nogimori Takuto、Suzuki Koichiro、Masuta Yuji、Washizaki Ayaka、Yagoto Mika、Ikeda Mami、Katayama Yuki、Kanda Hidenori、Takada Minoru、Minami Shohei、Kobayashi Takeshi、Takahama Shokichi、Yoshioka Yasuo、Yamamoto Takuya
    • 雑誌名

      Frontiers in Immunology

      巻: 13 ページ: 1081047-1081047

    • DOI

      10.3389/fimmu.2022.1081047

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] Cytotoxic CD8+ T cells simultaneously expressing GZMA, GZMB and Perforin regulate COVID-19 severity2022

    • 著者名/発表者名
      Takuto Nogimori, Koichiro Suzuki, Yuji Masuta, Ayaka Washizaki, Hidenori Kanda, Minoru Takada, Shohei Minami, Takeshi Kobayashi, Shokichi Takahama, Yasuo Yoshioka and Takuya Yamamoto
    • 学会等名
      第51回日本免疫学会学術集会
  • [学会発表] 霊長類モデルにおけるインフルエンザワクチンにより 誘導される抗体Fcg受容体依存的免疫応答の評価2022

    • 著者名/発表者名
      升田 雄士、高濱 正吉、野木森 拓人、森山 彩野、高橋 宜聖、山本 拓也
    • 学会等名
      第69回日本ウイルス学会学術集会
  • [学会発表] Analysis of Fcg receptor-mediated target-effector cells binding via influenza vaccine-induced antibodies in a non-human primate model2022

    • 著者名/発表者名
      Yuji Masuta, Shokichi Takahama, Takuto Nogimori, Saya Moriyama, Yoshimasa Takahashi, Takuya Yamamoto
    • 学会等名
      第51回日本免疫学会学術集会
  • [学会発表] Analysis of immune responses to COVID-19 vaccine in liver transplant recipients2022

    • 著者名/発表者名
      Yuta Nagatsuka, Takuto Nogimori, Hirotomo Murakami, Shogo Kobayashi, Yoshifumi Iwagami, Daisaku Yamada, Yoshito Tomimaru, Takehiro Noda, Hidenori Takahashi, Yuichiro Doki, Hidetoshi Eguchi, Takuya Yamamoto
    • 学会等名
      第51回日本免疫学会学術集会
  • [学会発表] Quantitative and qualitative differences in HBc-specific CD8 T cells could impact the level of HBsAg in Hepatitis B patients.2022

    • 著者名/発表者名
      Shokichi Takahama, Sachiyo Yoshio, Hirotomo Murakami, Hirofumi Akita, Takuto Nogimori, Shun Kaneko, Masayuki Kurosaki, Yasuhiro Asahina, Ryotaro Sakamori, Tetsuo Takehara, Tatsuya Kanto and Takuya Yamamoto
    • 学会等名
      第51回日本免疫学会学術集会

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公開日: 2023-12-25  

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