研究課題/領域番号 |
22K16393
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研究機関 | 滋賀医科大学 |
研究代表者 |
井田 昌吾 滋賀医科大学, 医学部, 助教 (90792028)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 膵β細胞 / 多能性幹細胞 / 膵島移植 / 血管内皮細胞 |
研究実績の概要 |
本研究は膵島を構成している血管内皮細胞を含む血管組織、自律神経をはじめとする神経組織が、多能性幹細胞から膵β細胞への分化、成熟に与える影響を検討するものである。またもう一つの目的として、近年、その低侵襲性から現在門脈に移植されている膵島の有力な代替移植部位として注目されている皮下移植がもつデメリットである不十分な血管新生にこれらの組織との共移植が移植効率の改善に寄与するかを検討する。前年度ではES細胞の入手、使用に際しての手続きに要する時間が非常に長くなることが判明したため、多能性幹細胞のソースとしてiPS細胞を使用することとした。分化に際しては細胞株により最適な分化プロトコルが異なるため、まずその条件検討を行った。種々の条件検討の結果、良好な効率で膵前駆細胞(Stage 4)、immature β細胞(Stage 6)を得ることができた。代替細胞の入手、iPS細胞由来膵β細胞の作製における条件検討に時間を要したため、前年度では多能性幹細胞由来の血管組織、神経組織の作製まで完遂することができなかった。これに関しては本年度以降に取り組んでいく予定である。一方、皮下移植に関する検討に関しては当施設でも手術や術後管理などを合併症などの問題を起こすことなく行うことができた。加えて、皮下移植の対照としてマウスでの膵島移植の実験系として最も用いられている腎皮膜下移植も行うことができた。これらにより今後分化作製したiPS細胞由来の細胞、組織の移植実験を良好に実施することができると考えられる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
ES細胞の入手、使用の問題でiPS細胞を代替細胞として使用することに変更した。これによりiPS細胞の入手、iPS細胞由来膵β細胞の作製における条件検討に時間を要したため、進捗状況はやや遅れていると言える。
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今後の研究の推進方策 |
進捗状況としてはやや遅れているものの、in vivoでの移植実験のセットアップを先んじて行ったため動物実験の準備は整っている。本年度は細胞の作製を継続し、in vivoでの実験につなげていく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
細胞の入手に時間を要したため、細胞培養に要する費用が予測していたよりも少なくなったため。生じた額に関しては本年度の細胞培養の試薬の購入費に充てる。
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