研究課題/領域番号 |
22K16426
|
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
木村 哲也 大阪大学, 免疫学フロンティア研究センター, 特任助教(常勤) (40792346)
|
研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2024-03-31
|
キーワード | 破骨細胞 / リソソーム / 代謝シグナル |
研究実績の概要 |
マウスを用いたin vivo実験として、以下に述べる各種マウスの下肢骨骨密度をマイクロCTを用い詳細に解析した。まず予備実験で得られた表現型の再現性を確認するため、野生型および遺伝子Xノックアウトマウスを用い、高齢メスマウスの骨密度を測定した。次に加齢時の性差を検討するため、高齢オスマウスについても野生型および遺伝子Xノックアウトマウスで骨密度を評価した。これにより加齢マウスで性差および遺伝子Xの骨密度に対する影響を総合的に評価しえた。さらに手術手技を確立し、閉経後骨粗鬆症のモデルである卵巣切除モデルを用い、野生型マウスとノックアウトマウスで骨密度測定を行った。 マウス実験と並行し、in vitroで破骨細胞を効率良く誘導する細胞培養法を確立した。各種文献を参考として最適な条件を見出すまで多少の時間を要したが、再現的に誘導を行えるようになった。誘導した破骨細胞が発現している遺伝子を網羅解析し、遺伝子X欠損破骨細胞と野生型破骨細胞の違いを検討した。網羅解析データに対し、既知の破骨細胞特異的遺伝子の増減をまず確認し、次に発現量に著明な差があった個々の遺伝子につきその役割を検討した。さらに遺伝子発現データ全体をunbiasedに解析し、遺伝子Xに影響される細胞内シグナル等を新たに見出した。 本研究の成果は、リソソームを中心とする代謝シグナルの生理的機能に関し、新たな知見を提供し、その応用として骨粗鬆症の治療法開発に役立つことが期待される。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究課題の遂行に必要な実験系を初年度に立ち上げることができた。マウスを用いた表現型の解析を進め、遺伝子発現網羅解析も行うことができた。
|
今後の研究の推進方策 |
代謝シグナルの破骨細胞における役割に関する新知見を確実に証明する。エストロゲンとリソソームの関わりについても検討する。
|
次年度使用額が生じた理由 |
2023年の年明けから新研究室を開設し、実験作業が一時的に中断したため、少額ながら次年度使用額が生じた。とはいえ年度予算の5%未満であり、次年度に予定どおり使用予定である。
|