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2022 年度 実施状況報告書

血管内皮ROCK2による肥満症制御機構解明と治療標的化戦略

研究課題

研究課題/領域番号 22K16433
研究機関東京慈恵会医科大学

研究代表者

竹田 裕介  東京慈恵会医科大学, 医学部, 助教 (90899238)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワード肥満症 / Rho-kinase / 脂肪細胞 / ROCK2 / 血管内皮細胞
研究実績の概要

低分子量G蛋白Rhoのエフェクター分子であるRho-kinase(ROCK)にはROCK1、ROCK2という二つのアイソフォームが存在する。ROCKは、血管内皮や脂肪組織における炎症を制御することが示唆されている。近年、血管内皮における炎症が脂肪組織の炎症を引き起こし、代謝異常症の発症に繋がることが注目されている。
ROCK2は血管内皮に高度に発現し、局所の炎症を引き起こすことが明らかになっているが、このROCK2の生態における役割を解明するため、我々が独自に樹立したROCK2 floxマウスと、血管内皮特異的にCre recombinaseを発現するVE-cadherin Creマウスを交配し、血管内皮特異的ROCK2欠損マウス(ER2KO)を作製した。ER2KOはメンデルの法則に従って出生し、成長発達過程に異常は認められないが、脂肪細胞の重量や白色脂肪細胞における褐色化マーカーの発現レベルに変化を認めており、この意義を解明すべく検討を進めている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

ROCK2 floxマウスと、血管内皮特異的にVE-cadherin Creを発現するVE-cadherin Creマウスを交配し、血管内皮特異的ROCK2欠損マウス(ER2KO)の作製、維持に成功している。ER2KOの表現型解析もおおむね予定通りに進行している。

今後の研究の推進方策

血管内皮特異的ROCK2欠損マウス(ER2KO)の脂肪細胞の形態を観察し、ROCK2欠損によって生じる表現型解析をさらに進める。具体的には、白色脂肪細胞(内臓脂肪)だけでなく、皮下脂肪や褐色脂肪細胞においても、褐色化マーカーの発現レベルや脂肪細胞のサイズの解析を行う。
次に、脂肪細胞におけるROCK2と褐色化の間に介在する詳細なシグナルを明らかにするために、vitroにおける解析も行う予定である。すなわち、ROCK2遺伝子をノックダウンしたヒト脂肪組織微小血管内皮細胞(HAMEC)の培養液(conditioned medium)を用いて脂肪細胞を培養し、回収した細胞における褐色化マーカーの発現レベルを検討する。さらに、このconditioned mediumを試料として、LC-MS法にてタンパクの網羅的な定量・同定を行う予定である。

次年度使用額が生じた理由

covid-19感染拡大に伴い、予定していた学会出張を複数回キャンセルしたため、次年度使用額が生じました。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2022

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] ROCK2-induced metabolic rewiring in diabetic podocytopathy.2022

    • 著者名/発表者名
      Matoba K, Takeda Y, Nagai Y, Sekiguchi K, Ukichi R, Takahashi H, Aizawa D, Ikegami M, Tachibana T, Kawanami D, Kanazawa Y, Yokota T, Utsunomiya K, Nishimura R.
    • 雑誌名

      Communications Biology

      巻: 5 ページ: 1-9

    • DOI

      10.1038/s42003-022-03300-4

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 糖尿病腎症の新規治療法確立へ向けたROCKシグナル機構の解明2022

    • 著者名/発表者名
      的場 圭一郎
    • 学会等名
      第37回日本糖尿病合併症学会・第28回日本糖尿病眼学会総会
  • [学会発表] 糖尿病腎症の腎組織におけるROCK活性化と治療意義2022

    • 著者名/発表者名
      的場 圭一郎
    • 学会等名
      第95回日本内分泌学会学術総会

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公開日: 2023-12-25  

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