研究課題/領域番号 |
22K16444
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研究機関 | 独立行政法人国立病院機構(呉医療センター臨床研究部) |
研究代表者 |
小林 美恵 独立行政法人国立病院機構(呉医療センター臨床研究部), その他部局等, 乳腺外科 医師 (00611865)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | CDK4/6阻害薬耐性機序 / シングルセル / 乳癌 / 個別化医療 / 薬剤耐性メカニズム |
研究実績の概要 |
【研究の目的】期間内に、複数のCDK4/6阻害薬耐性乳癌シングルセルにおける腫瘍細胞内のgenetic heterogeneityを遺伝学的・分子生物学的に網羅的に同定し、CDK4/6阻害薬耐性機序を解明する。明らかにした異常メカニズムに対する分子標的薬とCDK4/6阻害薬の併用療法がCDK4/6阻害薬耐性を克服できる新規治療となるかを検証し、さらに治療効果・予後予測バイオマーカーとしての臨床応用基盤を個別化医療の実現に向けて確立することを最終目的とする。 [令和4(2022)年度 研究の成果]①CDK4/6阻害薬耐性シングルセルクローンの樹立 ER陽性HER2陰性乳癌培養細胞にCDK4/6阻害薬を段階的に長期連続投与し、耐性を獲得した細胞を樹立した。現在はその樹立細胞からシングルセルを複数分離中である。今後はクローン化して、CDK4/6阻害薬耐性ER陽性乳癌培養細胞シングルセルクローンを樹立し、令和5(2023)年度の研究計画である次世代シーケンサーで解析する耐性クローンを選択する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
令和4(2022)年度 研究計画・方法①である、CDK4/6阻害薬耐性シングルセルクローンの樹立に関して、ER陽性HER2陰性乳癌培養細胞にCDK4/6阻害薬を段階的に長期連続投与は完了し、現在耐性を獲得した細胞をシングルセルとして複数分離する過程である。このシングルセルの分離には3か月程度要するため、2023年度初頭も分離中であり、進歩状況はやや遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
シングルセルの分離はあと2か月程度で可能と見込んでいる。分離後、クローン化して、令和4(2022)年度 研究計画・方法②であるCDK4/6阻害薬に対する獲得耐性能の検証に移り、それぞれの耐性シングルセルクローンにおいてCDK4/6阻害薬に対する獲得抵抗性の程度を細胞増殖アッセイ(colony formation assay)で検証し、令和5(2023)年度の研究計画である次世代シーケンサーで解析する耐性クローンを選択する。
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次年度使用額が生じた理由 |
細胞培養に使用する培養液・薬剤は研究室ストック分を使用できたため、新たに購入する必要がなかったため。
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