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2022 年度 実施状況報告書

Dysbiosisと分子異常に着目した大腸de novo発癌の解明と治療への応用

研究課題

研究課題/領域番号 22K16447
研究機関九州大学

研究代表者

田村 公二  九州大学, 大学病院, 助教 (90909582)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2024-03-31
キーワード大腸癌 / de novo癌 / 腸内細菌叢 / 家族性大腸線種症
研究実績の概要

本研究の目的は、腸内細菌叢だけでなくde novo大腸癌の発癌や進展様式、さらには転移に関わる腫瘍内や腫瘍微少環境のmicrobiomeを網羅的に解析し、治療法の開発や究極的には発癌予防の解明につなげることである。癌腫自体と癌微小環境におけるmicrobiomeのみならず、シングルセルRNAシークエンス(scRNAseq)を用いて、その不均一性にも着目しつつ計画を進めていく予定である。
当研究室においては複数の種類の固形癌の手術標本を対象にscRNAライブラリー作成を行い、NGS解析を開始している。NGS解析後のデータは、Rパッケージ Seuratを用いて単一細胞由来のRNA発現からその細胞集団の特徴や機能に着目し、解析を行う。細菌叢解析に関しては、研究室としてまずは実験手法の確立から行う必要があったが、ヒト膵癌切除組織から抽出したDNAを用いて、細菌特有の16SrRNA領域プライマーによるPCR増幅を行い、癌組織中の細菌の存在を示した。
大腸癌に関しては、scRNAseq解析のため、手術を行った家族性大腸腺腫症由来大腸癌の患者の摘出標本から、腫瘍部、腺腫非密生部、腺腫密生部、正常粘膜部、リンパ節を採取し単一細胞懸濁液作成、ライブラリー作成を行った。現在、検体採取部位別に比較しながら、上皮細胞、腫瘍微小環境構成細胞について解析を進めている。さらに通常型大腸癌のpublic dataとの比較を行い検討している。
本研究の主題であるde novo癌症例数が少なく、その診断が困難であるのが現状であるため、少し方向性を変更して広く大腸癌患者・組織での解析を開始している。上述の細菌叢解析やscRNAseq解析の実験手技・解析方法は確立されつつある。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

腸内細菌叢解析に関して、現在研究室として他の固形癌、特に膵癌に対しての研究を進めており手技・実験系の確立はおおむね完了している。大腸癌患者においては、de novo癌患者数が非常に少なく、対象を広げて解析予定であるが、すでに数例の患者についてはmicrobiome解析に提出中である。
また、シングルセルRNA解析についても、胃癌や食道癌、大腸癌を含む複数の種類の固形癌の手術標本を対象にNGSで解析を進めている。実際、家族性大腸腺腫症(FAP)患者においての発癌過程における、癌微少環境・免疫細胞解析は進んでおり、後述の通り学会発表を行った。

今後の研究の推進方策

腸内細菌叢解析に関して、現在研究室として他の固形癌、特に膵癌に対しての研究を進めており手技・実験系の確立はおおむね完了している。大腸癌患者においては、de novo癌患者数が非常に少なく、対象を広げて解析予定であるが、すでに数例の患者についてはmicrobiome解析に提出中である。
また、シングルセルRNA解析についても、胃癌や食道癌、大腸癌を含む複数の種類の固形癌の手術標本を対象にNGSで解析を進めている。実際、家族性大腸腺腫症(FAP)患者においての発癌過程における、癌微少環境・免疫細胞解析は進んでおり、後述の通り学会発表を行った。

次年度使用額が生じた理由

de novo癌患者数が非常に少ないために、対象を広げて解析予定であることから研究計画に遅れを生じているため。次年度は解析用試薬、受託解析等に使用予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2022

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] Single cell RNA sequenceを用いた家族性大腸腺腫症各発がん段階のCD4+ Tcellの比較2022

    • 著者名/発表者名
      久野恭子、水内祐介、大内田研宙、堤親範、中村祥一、奥田翔、大坪慶志輝、寅田信博、佐田政史、田村公二、永吉絹子、進藤幸治、仲田興平、森山大樹、中村雅史
    • 学会等名
      第29回日本消化器関連学会週間(JDDW 2021)

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公開日: 2023-12-25  

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