本研究では、ドナー・レシピエントいずれの遺伝的素因が肝移植後脂肪性肝疾患の発症に重要であるかを判別することを目的とした。また、それらを組み合わせた遺伝的リスクスコアを用いることで、肝移植後脂肪性肝疾患の発症を予測することを目的とした。PNPLA3、TM6SF2、HSD17B13のジェノタイピングを行い、それらのリスクアレルを組み合わせて遺伝的リスクスコアを作成し、肝移植後脂肪性肝疾患との関係を調査した。レシピエントでは無く、ドナーのリスクアレルの保有が肝移植後脂肪性肝疾患の発症に寄与していた。また、遺伝的リスクスコアが高値であることは、肝移植後脂肪性肝疾患の独立した危険因子であった。
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