研究実績の概要 |
薬剤耐性には腫瘍微小環境が大きく関与しており青色光の腫瘍微小環境への影響を評価した。 【方法】①THP-1細胞に150nM PMAを加え48時間培養しM0マクロファージに分化させ、ヒト大腸癌細胞株HCT-116のconditioned mediumで48時間培養後、青色LED照射(465nm・30mW/cm2・30min)群とcontrol群に分け48時間後にTAMの活性について評価。さらにLED照射あり/なしのTAMのconditioned mediumでHCT-116の培養を行い、proliferation評価、migration assayを行う。②上記TAMのconditioned mediumでHCT-116の培養を行い、48時間後にPD-L1発現について評価し、LED照射あり/なしのTAMのconditioned mediumで同様の検討を行い、LED照射の影響を評価。 【結果】①青色LED光照射群では対照群と比してCD163,CD206の発現が低下した。また青色LED光照射によりVEGF分泌が有意に減少した。LED照射ありのTAMのconditioned mediumで培養したHCT-116はproliferationに変化を認めなかったが遊走能が低下した。②TAMのconditioned mediumで培養したHCT-116ではコントロールと比較してPD-L1発現が上昇したが、LED照射ありのTAMのconditioned mediumで培養したHCT-116のPD-L1発現は、LED照射なしのTAMのconditioned mediumで培養したものと比較して低下した。 【まとめ】青色LED光は大腸癌細胞に対する直接的な効果だけでなく、腫瘍微小環境のTAMに対しても抑制効果を発揮し、腫瘍抑制に働きうることが示唆された。
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