研究課題/領域番号 |
22K16473
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研究機関 | 公益財団法人がん研究会 |
研究代表者 |
尾辻 和尊 公益財団法人がん研究会, NEXT-Gankenプログラム がん細胞多様性解明プロジェクト, クリニカルリサーチフェロー (00827313)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 乳癌 / オルガノイド / シングルセル解析 |
研究実績の概要 |
乳癌細胞が正常細胞にもたらす変化を解明することを目的とし、以下の2点を行っている。1. 乳癌患者由来の臨床検体を用いてシングルセル解析を行っている。2022年4月から2023年3月までにシングルセルRNA-seqを6検体で、シングルセルATAC-seqを1検体で行った。現在解析を行っている。2. 乳癌患者由来の臨床検体からオルガノイドの作製を試みている。2022年4月から2023年3月までに計47検体からオルガノイド樹立を試み、そのうち26検体で細胞が増殖し凍結保存にまで至っている。凍結保存した一部の検体でシングルセルRNA-seq・シングルセルATAC-seqを行い、こちらも現在解析中である。
また研究の中間報告として、第30回日本乳癌学会学術総会 (演題名:治療抵抗性を示す乳癌臨床検体1例でのsingle-cell RNA-seq解析) および第81回日本癌学会学術総会 (シングルセルRNA-seqを用いた乳癌患者由来オルガノイドの腫瘍間・腫瘍内不均一性の探究) で演題発表を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
検体採取とオルガノイド培養については概ね予定通り。臨床検体のシングルセル解析についても概ね予定通りに進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き患者由来のシングルセル解析をベースに、癌と正常細胞の相互作用について検討を行っていく。その上でオルガノイドを用いた介入実験に持っていきたいと考えている。
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次年度使用額が生じた理由 |
シングルセル解析の際の試薬やシークエンスコスト、オルガノイド培養のための物品・試薬は研究室内の共用のものを使用したため、2022年度の科研費からの支出額を抑制することができた。次年度以降は実験に必要な器具や試薬等の購入にも予算を充てる予定である。
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