研究課題/領域番号 |
22K16529
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
桐谷 翔 東京大学, 医学部附属病院, 届出研究員 (50934048)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 質量分析計 / 癌診断装置 / 膵癌 / 機械学習 / 血清 |
研究実績の概要 |
本研究では、Probe Electrospray Ionization-Mass Spectrometry (PESI-MS)という新しい質量分析計および血清サンプルを用いて、術前化学療法の奏効性をどの程度判別できるか検証する。この成果は、多様化する膵癌診療の適切な治療選択を可能とすることにつながる。研究の基礎段階である本年度は、上述の質量分析計の癌診断精度を組織サンプルを用いて検証した。検証に用いた組織は肝細胞癌、大腸癌肝転移、肝内胆管癌とた。肝内胆管癌と大腸癌肝転移の正診率は97.9%であり、これは膵癌同様の腺癌に対する判別能の可能性を示唆した。この研究結果はJournal of Gastroenterology and Hepatologyに掲載した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
初年度に組織サンプルにおける解析が終了し、その結果を論文化することができたため。
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今後の研究の推進方策 |
今後、血清サンプルにおける判別能を膵疾患について検証する。さらに、最終段階として膵癌の術前治療コホートの血清サンプルによる経時的変化を検証し、結果を解析する。
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次年度使用額が生じた理由 |
本年度は、昨年度より継続使用可能であった物品費の存在により、コスト削減が可能であり、剰余分を次年度へ繰り越すことができた。次年度からは前向きなサンプル採取の増加、解析頻度の増加に伴い、物品費におよそ充てることが可能と考える。
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