研究課題/領域番号 |
22K16556
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
渡邉 倫子 千葉大学, 医学部附属病院, 助教 (20766274)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | EVAR / ステントグラフト / 術後瘤拡大 / CT |
研究実績の概要 |
初年度は、腹部大動脈瘤、腸骨動脈瘤に対するステントグラフト治療後の患者のCT画像データから,既存のアプリケーションを用い、CT値を参照した血管とデバイスの3次元形状データを取得する方法について検討を行った。本研究の目的の一つである、血管内治療(ステントグラフト)後の瘤拡大・形態変化のメカニズムの解明という観点から、対象患者よりまず経過中に瘤拡大、瘤破裂などのイベントを起こした患者を選択し、画像解析を開始した。 研究者の所属施設において、これまでステントグラフト手術を受けた患者のうち、術後に瘤拡大、瘤破裂イベントを発生した患者においては、術後経過中にCT画像において瘤径、形態の変化、またステントグラフトデバイスの走行軸長さ・軸の歪みなどの変化などが生じていた。こうした変化をどのように機械的に同定するかについて検討を進めた。画像データの解析においては、CT値を参照し、血管、デバイス、他の骨盤内臓器(軟部組織、骨)などを分離し同定する手法の確立を目指した。 解析に難渋している点としては、まず専門的な人の目によるこれらの画像での認識は容易いが、機械的に行う場合はそうではなく、幾つか方法を変え正確性を担保できる方法の模索を要していることである。さらにCTデータは術後の患者の状態により造影剤なしで行われている場合が多く、画像解析に影響を与えている。 今後大血管に異常のない患者におけるCTデータも比較対象として解析できるよう、研究についてオプトアウトを行い大学病院で術前CTを撮像している方のデータ利用を行う準備を完了した。今後合わせてデータ解析していく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
ステントグラフト術後患者におけるCTデータの解析を行った。瘤拡大、破裂を起こした患者のCTデータの解析からは、予想された3次元形状の変化を同定することができた。一方でCTデータの機械的な認識、形態変化を捉えるパラメータの決定に時間を要している。
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今後の研究の推進方策 |
引き続きCTデータをもとにした3次元形状の取得の手法確立を目指す。その上で、AIの深層学習に基づくセグメンテーションにより手法を検証、確立する。本年度は、3次元画像解析で得たパラメータに、他の臨床データ(ステントグラフト術後の瘤拡大に影響しうる因子)を加え術後大血管関連イベント発生との関連を解析する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
CTデータの解析、パラメータの決定に時間を要し、これらが終了したのちに解析を行うにあたり使用するパソコン、データ解析ソフトなどの購入が遅れた。また解析後に研究成果を学会発表する予定であったが、研究の遅延により行えなかった。次年度に繰り越して使用する予定。
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