研究課題/領域番号 |
22K16558
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研究機関 | 浜松医科大学 |
研究代表者 |
夏目 佳代子 浜松医科大学, 医学部, 特任研究員 (80929307)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 動脈硬化 / 下肢閉塞性動脈硬化症 / 重症虚血肢 |
研究実績の概要 |
動脈硬化は通常内膜における変化が着目され、中膜の変化についての報告は少ない。我々はChronic limb threatening ischemia(CLTI)切断肢の病理検討を行う中で、中膜肥厚の可能性を考えた。下肢動脈は中枢では弾性動脈、末梢では筋性動脈の性格が強くなるにもかかわらず、正常の動脈病理についての報告は少ない。そこでCLTI切断肢とCadaverから採取した動脈を用い、中膜病理所見(血管内に占め中膜面積の割合を算出)を検討した。 狭窄病変において、膝下動脈では膝上動脈と比較して粥状硬化の程度が有意に軽度であった。中膜面積割合と血管径は有意に負の相関示すことがわかった(血管径が小さくなるほど中膜の占める割合が大きくなる。)更に膝下動脈では内膜病変が有意でない場合に中膜肥厚を主体とした狭窄病変が認められた。中枢に狭窄病変を有する膝下動脈において有意な中膜肥厚を認めた。以上から、膝下動脈の中膜の変化は血管径の変化に伴う差異と更に狭窄に伴うRemodelingの可能性を考えている。 上記の結果を、2023年の血管外科学会学術総会(優秀演題候補)にて(Histopathological and morphological studyof the peripheral arteries in patients with CLTI )発表、欧州血管外科学会にてoral presentation(Histopathological and morphological study of the peripheral arteries in patients with CLTI)発表、日本脈管学会学術総会にて(下肢動脈における中膜厚の検討)発表、Japanese college of angiology award最優秀賞を受賞した。現在同内容の論文化を行なっている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2023年度に国内外での研究成果発表を行い、現在論文作成中であるため。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き論文作成を行い、今後中膜肥厚の詳細を検討すべく次研究の準備を進める。
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次年度使用額が生じた理由 |
論文投稿、次回研究への準備資金として令和6年度へ繰り越すこととした。
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