研究課題/領域番号 |
22K16565
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
門松 由佳 名古屋大学, 医学部附属病院, 病院助教 (80878364)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 微小結節 / 肺切除 / 脱気変形モデル / 肺癌 |
研究実績の概要 |
CT検査の普及により微小な肺結節の手術症例が増加している。術前の拡張肺における結節の局在を3次元的に示す機能は市販の3D医用画像処理ワークステーションで可能である。しかし、術中の分離肺換気による肺虚脱変形により結節の局在はかなり変化するため、不十分である。 本研究では蝕知不能な微小結節の同定とエビデンスに基づく肺部分切除実施にむけて①3D医用画像処理ワークステーション (Synapse Vincent、zaiostation) ②術中コーンビームCT(Cone Beam CT: CBCT) ③VAL-MAP(気管支鏡バーチャル3D肺マッピング) ④superDimension ナビゲーションシステム ⑤肺脱気変形モデルを利用して取り組んでいる。 本研究の目的は脱気変形に対応した微小結節の位置変化を術前CTからのみ予測し、非侵襲的な追加処置のみでエビデンスに基づいた部分切除アルゴリズムを作成することである。 2022年度は部分切除部位の可視化を目的にターゲットとする結節周囲に金属製クリップを4か所置き、脱気時と拡張時の術中コーンビームCTを撮影した。クリップの位置を目安に術後、Synapse Vincentを使用して切除範囲に伴う肺実質領域について検討した。同側で複数回の肺部分切除が計画される場合があるが、2度目以降の手術の場合には既に肺の変形をきたしていること、またアルゴリズム作成段階では完全な非触知結節は対象とならないため、対象症例が想定より少ないという問題点も明らかとなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究の遂行には、これまでに肺切除歴のない初回肺部分切除例での検討が必要である。しかし、コロナ禍の回復をうけて、肺癌手術症例数が増加したため、比較的難易度の低い部分切除症例の当院での施行が減少した。 このため、2022年度遂行予定であった必要症例数が集積できなかった。
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今後の研究の推進方策 |
研究の進捗が遅れているため、2023年度は2022年度の症例集積を引き続き行う。 最終年度で使用する予定であったSuperDimensionの返却時期が早まったため、Super Dimensionを使用しないValidation方法について検討中である。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究の進捗が遅れているため,旅費に支出予定だった研究費に次年度使用が生じた。未使用額は次年度の旅費と解析用PCに使用予定である。
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