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2023 年度 実施状況報告書

ゲノム編集技術を用いた悪性胸膜中皮腫におけるBAP1の機能解析

研究課題

研究課題/領域番号 22K16569
研究機関岡山大学

研究代表者

佐藤 博紀  岡山大学, 医学部, 客員研究員 (70933993)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワード悪性胸膜中皮腫 / Crispr/Cas9ゲノム編集技術 / ドラッグスクリーニング
研究実績の概要

悪性胸膜中皮腫(MPM)において腫瘍抑制遺伝子として知られるBAP1の体細胞変異による不活性化は、代表的な遺伝子異常として知られている。その治療標的としての可能性を検討するための第一段階として、Crispr/Cas9ゲノム編集システムによるBAP1ノックアウト細胞株の樹立を目指してきた。Crispr/Cas9ゲノム編集に必要なガイドRNAのデザイン、ベクター作成を行い、これまでに上皮型MPM細胞株であるHmeso、肉腫型MPM細胞株であるH2373、二相型MPM細胞株であるJMNを用いて、BAP1ノックアウト細胞株を作成し単離することに成功した。それぞれの樹立モデルにおいて、mRNAレベルおよびタンパク質レベルでBAP1が確実にノックアウトされていることを確認済である。
現在、これらの前臨床モデルを用いて、BAP1のMPMにおける機能解析を進めている。RNAiによる予備実験を行っており、BAP1のノックダウンにより増殖能が阻害される可能性が示唆されている。現在、BAP1をノックアウトすることで細胞形態、増殖能、転移遊走能、細胞周期の進行、DNA修復機構等に及ぼす影響を各種アッセイを用いて検討している最中である。さらにノックアウト株と親株を用いた、ドラッグスクリーニングなどの網羅的解析も進行中である.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

予定通りであり、特に理由はない。

今後の研究の推進方策

樹立したノックアウト細胞株を用いてMPMにおけるBAP1の役割、治療標的としての可能性を検討する。種々の網羅的解析を行い親株と比較検討することで、BAP1
ノックアウトにより誘導される薬剤感受性の変化(ドラッグスクリーニング→ハイコンテントスクリーニングによる評価)、遺伝子発現の変化(RNA-seq、トラ
ンスクリプトーム解析)について検討することを予定している。これらの解析でBAP1ノックアウト細胞株に特異的な標的遺伝子(群)の同定が困難であった場
合、DNA メチル化やヒストン修飾などのエピジェネティックな修飾や転写調節因子の結合部位の変化を標的にChip-seqおよびATAC-seqを行うことも想定してい
る。

次年度使用額が生じた理由

予定よりも試薬を安価に調達できたため、次年度使用が生じている。次年度の解析に関する費用に使用する予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2024

すべて 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件)

  • [雑誌論文] The BAP1 nuclear deubiquitinase is involved in the nonhomologous end-joining pathway of double-strand DNA repair through interaction with DNA-PK2024

    • 著者名/発表者名
      Sato Hiroki、Ito Tatsuo、Hayashi Takuo、Kitano Shigehisa、Erdjument-Bromage Hediye、Bott Matthew J.、Toyooka Shinichi、Zauderer Marjorie、Ladanyi Marc
    • 雑誌名

      Oncogene

      巻: 43 ページ: 1087~1097

    • DOI

      10.1038/s41388-024-02966-w

    • 査読あり / 国際共著

URL: 

公開日: 2024-12-25  

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