今後の研究の推進方策 |
1. 腫瘍内免疫微小環境の解析:腫瘍投与前・投与後3, 7, 10, 14日目の胸水(あるいは胸腔内洗浄液)を回収し、マクロファージ (SPM, LPM)、Tリンパ球(CD3, CD4, CD8, regulatory T cell)、骨髄由来抑制細胞など各種免疫細胞の動態をFlow cytometryにて解析する。 2. SPMとLPMの差異の検討:腹腔内マクロファージにおいてsubsetを区別するマーカーとして報告されているMHC II, CSF1R, CD11cなどをFlow cytometryにて染色し、胸水中のSPMとLPMの違いを明らかにする。 3. SPMが腫瘍増殖に促進的に作用するかの検討:腫瘍投与後3日目・10日目の胸水を回収し、FACSでSPMとLPMをsortingし、AB12とin vitroで共培養し、AB12増殖に与える影響を解析する。 4. ヒトMPM胸水の解析:MPM患者の胸膜生検・胸水ドレナージ時の胸水検体を用いて、Flow cytometryを行い、マウス同様にSPM・LPMが存在するか調べる。 5. SPM阻害による新規免疫療法・集学的治療の開発:SPMを阻害する薬剤を投与することによって、本MPMマウスモデルの生存延長が得られるかを調べる。さらに、免疫チェックポイント阻害剤とSPM阻害薬剤の併用によって、抗腫瘍効果増強が認められるか評価し、新規の複合免疫療法・集学的治療を開発する。
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