研究課題/領域番号 |
22K16574
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研究機関 | 福島県立医科大学 |
研究代表者 |
武藤 哲史 福島県立医科大学, 医学部, 助教 (90722570)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | がん免疫 / 細胞老化 |
研究実績の概要 |
2022年度は、手術で摘出した非小細胞肺癌患者由来の腫瘍断片化フラグメントを作成し腫瘍微小環境モデルとし、そこへ免疫チェックポイント阻害薬や老化細胞除去薬を加えて免疫細胞の活性化を測定する実験系の確立を行った。 当初は単細胞に分離して腫瘍微小環境モデルとすることを試みたが困難であり、フラグメントのまま実験系とし、反応後に単細胞に分離することで、目的とする免疫細胞の活性化が測定可能となった。ただし小さな腫瘍断片から回収できる細胞数に限りがあり、そのため測定する免疫関連分子を限定せざるを得なかった。CD4 T細胞、CD8 T細胞それぞれにおけるICOS、OX40、4-1BBの発現について測定することとした。また回収した細胞の一部をセルブロックとし、老化細胞をβ-galactosidaseで染色し薬剤の効果について確認を行なった。その後症例を重ねデータ収集を行なった。 2023年度は、非小細胞肺癌の摘出腫瘍組織をフラグメント化し腫瘍微小環境モデルとし、そこへ免疫チェックポイント阻害薬や老化細胞除去薬を加えて免疫細胞の活性化に与える影響を測定した。その結果、少数例の検討ではあるが老化細胞除去薬による上乗せ効果を認める症例も確認された。 また外科的切除を行なった非小細胞肺癌症例の腫瘍組織をGLB-1染色し、無再発生存期間との関係について検討を行なった。その結果、腫瘍間質におけるGLB-1陽性細胞の有無が、無再発生存期間と有意に関係した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
症例数の確保にやや困難しているが、全体の計画としてはほぼ順調に進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
当初の計画通り、2024年度は様々な臨床病理学的因子との統計解析を行い、学会発表および論文作成を予定している。
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次年度使用額が生じた理由 |
症例数の蓄積に時間を要し、解析の一部が2024年度にずれ込んだため。
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