研究課題/領域番号 |
22K16581
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研究機関 | 東京医科大学 |
研究代表者 |
大森 智一 東京医科大学, 医学部, 助教 (70617646)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 肺扁平上皮癌 / 人工知能解析 / 再発予測 / miRNA |
研究実績の概要 |
肺扁平上皮癌(LUSC)においてリンパ節転移(pN)は予後因子であり術後再発に大きく寄与するところではあるが、術後再発を予測するマーカーは存在しない。我々は、自験内でLUSCのリンパ節転移に特異的なmiRNA(miRNA10a, 141, 3120)を抽出した。また、人工知能(AI)を使った癌細胞核の形態解析にて術後再発を予測できる可能性も確認している。そこで、AIによる形態解析と分子病理学的因子を組み合わせることで、より精度の高い再発予測因子を割り出すことを目的とした。本年度はAIによる形態的解析を行った。自施設内でLUSCに対して手術した患者196例を対象とし、i)術後無再発、ii)術後早期再発 の2群に分け、AI形態解析にて術後再発と無再発の特徴量を抽出した。trainingモデル解析の後、testモデルにてその確からしさを検証した。結果としては、trainingモデルで早期再発(2年以内)/無再発を100%識別し、testモデルで98.1%の確立で再発を予想できた。現在、無再発/再発群の各症例からmiRNA抽出を行っており、その結果と合わせてデータベースを作成し、アノテーション作業を行っていく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
症例集積ならびにAI解析に時間を要したため。
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今後の研究の推進方策 |
AI形態解析に関して、再発/無再発だけではなく、リンパ節転移の有無やICIの効果予測に関しても解析を行う予定である。また、miRNA抽出を完了させ、さらにカルシトニン受容体遺伝子(CALCR)についても解析を行っていく。 それらの結果からアノテーション作業を行い、LUSCの再発予測マーカーの抽出を行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
今年度はAI形態解析を中心に行い、経費は大きくかからなかったため、次年度使用が生じた。次年度はRNA解析や遺伝子解析を行っていき、さらに学会発表や論文投稿に使用する計画である。
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