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2023 年度 実施状況報告書

オピオイド誘発性痛覚過敏の末梢メカニズム

研究課題

研究課題/領域番号 22K16593
研究機関京都府立医科大学

研究代表者

山北 俊介  京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (10836092)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワードモルヒネ / p38MAPK / ERK
研究実績の概要

雄性SDラットを実験に用い、モルヒネ痛覚過敏モデルとして、全身麻酔下にモルヒネ20mg/kgを3日間腹腔内投与し、行動解析により痛覚過敏を観察し、モルヒネ痛覚過敏モデルを確立した。痛覚過敏が観察できた後、ラットDRGにおいてERKおよびp38MAPK活性化を観察した。ERKおよびp38MAPKの一次知覚神経における発現解析のため、第5腰髄神経のDRGを採取し、組織切片を作成、免疫組織化学法によりリン酸化ERKおよびp38MAPK陽性細胞を可視化した。ニューロン、グリア細胞の選択的マーカーとの二重染色により両者の細胞分布を同定し、ウェスタンブロッティングによりリン酸化ERKおよびp38MAPKの発現量を定量した。オピオイド受容体拮抗薬としてナロキソンを投与し、ERKおよびp38MAPK活性化に及ぼす影響を評価した。モルヒネ痛覚過敏モデルにおいて、有意にリン酸化ERKおよびp38MAPKの発現が増加し、ナロキソン投与によりこれらは抑制された。リン酸化ERKはニューロンとグリア細胞、p38MAPKはニューロンに発現することを確認した。
ERKおよびp38MAPK阻害剤、コネキシン・パネキシン阻害剤が痛覚閾値に与える影響を調査した。モルヒネ痛覚過敏モデルを作成するにあたり、モルヒネ投与前に以下の薬剤を投与し、痛覚閾値を測定した(ERKリン酸化を阻害する薬剤としてMEK阻害剤であるU0126、p38MAPK阻害剤としてFR167653、コネキシン・パネキシン阻害剤としてカルベノキソロン)。モルヒネ投与数日後には、機械刺激に対する逃避閾値の低下と、熱刺激に対する逃避潜時の短縮が認められ、投与薬剤の有効性が示唆された。同様に、モルヒネ投与前に抗炎症作用を有する薬剤としてステロイド系抗炎症薬であるデキサメタゾン、またTLR4阻害剤を投与して、痛覚閾値を測定し、投与薬剤の有効性を確認した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

DRGにおけるグリア細胞由来の炎症活性物質を網羅的に解析するため、セルソーターでグリア細胞だけを分離し、その後サスペンションアレイシステムを用いた多項目同時測定システムBio-Plexを使用して、サイトカインアッセイを行う予定であったが実施できていない。

今後の研究の推進方策

セルソーターでグリア細胞だけを分離し、その後サスペンションアレイシステ ムを用いた多項目同時測定システムBio-Plexを使用して、サイトカインアッセイを行う予定である。この実験によりグリア細胞由来のサイトカインを選択的・網羅的に定量・検出する。

次年度使用額が生じた理由

DRGにおけるグリア細胞由来の炎症活性物質を網羅的に解析するため、セルソーターでグリア細胞だけを分離し、その後サスペンションアレイシステ ムを用いた多項目同時測定システムBio-Plexを使用して、サイトカインアッセイを行う予定である。
論文作成に使用予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2024 2023

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Activation of neurons and satellite glial cells in the DRG produces morphine-induced hyperalgesia2023

    • 著者名/発表者名
      Yamakita Shunsuke、Fujita Daisuke、Sudo Kazuki、Ishikawa Daiki、Kushimoto Kohsuke、Horii Yasuhiko、Amaya Fumimasa
    • 雑誌名

      Molecular Pain

      巻: 19 ページ: 1-16

    • DOI

      10.1177/17448069231181973

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] メカニズムから考える区域麻酔の可能性2024

    • 著者名/発表者名
      山北俊介
    • 学会等名
      日本区域麻酔学会

URL: 

公開日: 2024-12-25  

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