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2022 年度 実施状況報告書

悪性高熱症のメカニズムにおけるTRPV1チャネル機能の解明と新規治療法開発

研究課題

研究課題/領域番号 22K16602
研究機関広島大学

研究代表者

三好 寛二  広島大学, 病院(医), 講師 (50645364)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2024-03-31
キーワード悪性高熱症 / リアノジン受容体 / TRPV1受容体 / 遺伝子変異 / 熱ストレス
研究実績の概要

悪性高熱症は遺伝性筋疾患で、遺伝性素因の保有者が誘発剤となる麻酔薬に暴露することで発症する致死性の麻酔合併症の一つである。悪性高熱症の原因遺伝子として、リアノジン受容体は古くから認知されており、この研究領域ではこれまでリアノジン受容体や近傍の受容体についての機能解析が行われてきた。
一方で、昨今の遺伝子解析により、リアノジン受容体の遺伝子変異は悪性高熱症患者の約半数にしか見つからないことが明らかになり、悪性高熱症の病態においてリアノジン受容体の機能異常以外の未知の機序で悪性高熱症が発症していることが推測された。
本研究では、新規の悪性高熱症の発症機序として、Transient Receptor Potential Vanilloid 1 (TRPV1)の点変異が悪性高熱症の病態に影響を与えている可能性があることに注目した。我々はTRPV1のノックインマウスを作成してこの仮説を検証することを計画した。
我々はまず、悪性高熱症のモデルマウス(RYR1 R2509Cのノックインマウス)に対して悪性高熱症を起こし基礎データを収集した。これまでに悪性高熱症モデルマウスにおいて、気管挿管・人工呼吸管理による管理を行った報告はなく、新しい実験系としてデータを収集し、いくつかの新しい知見が得られた。並行して、TRPV1の点変異マウス(ノックインマウス)の作成を行った。点変異はTRPV1の点変異部位は我々の研究室で悪性高熱症患者から見つかった遺伝子変異とした。現在、TRPV1のノックインマウスの作成を進めている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

TRPV1の遺伝子変異ノックインマウスの作成に着手したが、受精卵の点変異の作成デザインの決定に予定よりも時間がかかった。さらに、受精卵の受け入れの際に必要な書類の準備に予定よりも時間がかかったため、受精卵の受け入れが遅れた。そのほかの点は概ね予定通り研究は進んでいる。

今後の研究の推進方策

悪性高熱症のモデルマウスを用いた実験系はデータが十分に取れたので、これらと新しく作成したTRPV1のノックインマウスの悪性高熱症の病態を比較する。現在、TRPV1ノックインマウスの受精卵を胚移植し、産子を得た状況である。Genotypingの後にノックインに成功した選定し、その産子を増やしていく。7月頃より悪性高熱症の発症実験を行うことができると考える。並行してノックインマウスの筋肉サンプルからMyotubeを作成して、アゴニストに対する細胞内カルシウムの変動を調査する予定である。

次年度使用額が生じた理由

次年度使用額が生じた理由は、成果発表の旅費の使用が少なかったためである。次年度は研究成果を発表する予定があるので、この次年度使用額を使用する予定である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2023

すべて 学会発表 (3件) (うち国際学会 1件)

  • [学会発表] リアノジン受容体1型遺伝子変異マウスにおける悪性高熱症の発症様式にセボフルラン濃度およ び性差が及ぼす影響2023

    • 著者名/発表者名
      三好寛二、城戸健士郎、渡辺知幸、向田圭子、安田季道、堤 保夫
    • 学会等名
      日本麻酔科学会第70回学術集会
  • [学会発表] セボフルランおよびデスフルラン投与によるリアノジン受容体1型遺伝子変異マウスにおける悪性高熱症発症様式の比較2023

    • 著者名/発表者名
      城戸健士郎、三好寛二、渡辺知幸、向田圭子、安田季道、堤 保夫
    • 学会等名
      日本麻酔科学会第70回学術集会
  • [学会発表] Investigating patients with malignant hyperthermia by gene panel testing in Japan2023

    • 著者名/発表者名
      三好寛二、向田圭子、野田祐子、城戸健士郎、住井彩子、神崎理英子、安田季道、堤 保夫
    • 学会等名
      41th Annual European Malignant Hyperthermia EMHG
    • 国際学会

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公開日: 2023-12-25  

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