研究課題/領域番号 |
22K16606
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研究機関 | 奈良県立医科大学 |
研究代表者 |
田中 暢洋 奈良県立医科大学, 医学部, 学内講師 (20756689)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 侵害受容モニター / 全身麻酔 / opioid sparing / オピオイド / オピオイド節減 |
研究実績の概要 |
当施設でロボット支援下腹腔鏡下前立腺全摘術を受ける患者に対して、PMD-200(Medasense社)で表示されるNOL(Nociceptive Level) 値を指標に手術中のレミフェンタニルを調節する介入群と、通常の麻酔管理を行う対照群に無作為に分けて、術中のレミフェンタニル使用量を比較することとした。 計画書の時点では、消化器外科手術患者を対象予定としたが、侵害受容モニターを用いた研究では前立腺手術が対象となることが多く、先行研究との比較も可能であるため、前立腺手術を対象とした。 なお、国内未承認機器を用いた介入を伴う無作為化比較試験であるため、臨床研究法に則り、倫理審査委員会の承認を得ている。この他、副次評価項目としてレミフェンタニル使用量が節減できたとしても妥当であるか、IL-6を含めたストレスホルモンを同時に測定している点で新規性が高いと考えている。
研究のプロトコル論文:Kadoya Y, Tanaka N, et al. Effect of NOciception Level-Directed analgesic management on Opioid usage in Robot-assisted laparoscopic radical prostatectomy (NOLDOR): study protocol for a single-centre single-blinded randomised controlled trial.BJA open 2022;4:100112(DOI:https://doi.org/10.1016/j.bjao.2022.100112)
研究の詳細:jRCT(https://jrct.niph.go.jp/latest-detail/jRCTs052220034)で閲覧可能である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
全体で54症例の参加を予定し、2023年3月末時点で42症例の組み入れが可能であった。このまま2023年度7-8月には参加募集終了となる見込みである。
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今後の研究の推進方策 |
まず、本年度の患者募集の終了を目指す。その後データを解析し、国際学会での発表、査読・インパクトファクター付きの雑誌への投稿作業に移行する予定である。 その後、サブ解析として、1)ロボット支援腹腔鏡下前立腺全摘除術のIL-6はいつがピークになるか、2)NOLと他の侵害受容観察指標との比較、3)術後遷延痛の有無の調査(今後の遷延痛に関する研究のpilot dataとして活用予定)も行いたいと考えている。
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次年度使用額が生じた理由 |
今回、Medasense社より直接PMD-200を輸入することとなり、円安の進行で予想が難しい上に当初の想定以上に購入費並びに輸送費、輸入の際の消費税が高騰した。前倒しで請求させていただいたが、ドル円の不安定さより12180円の差額が生じた。
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