研究課題
左室流出路心筋切除術を受ける肥大型心筋症患者6名で術前後のIVPDを経食道心エコー画像から解析した結果、IVPDは改善すると仮定したが、左房圧を反映するbasal IVPDは改善傾向を認めたもののsucking forceの指標となるapical IVPDは改善傾向を認めなかった。術中の画像であったため、より遠隔期での画像解析が必要である(集中治療医学会学術集会2023年度で発表)。ファロー四徴症患者の術後遠隔期における肺動脈弁狭窄・閉鎖不全の進行による右心負荷は、症状がでてしまってからでは右室流出路再建を行っても手遅れとなることが多く、その手術時期を判断するのは難しい。ファロー四徴症患者の術後遠隔期に右室流出路再建術が予定された患者と比較対象の健常人10名に対し4D flow MRIによる血流解析を行い、右心系のエネルギー損失値と心係数を算出した。エネルギー損失値と心係数のプロット図を描くと、線形回帰分析の結果はそれぞれ、0.59×RVCI+2.46(術前)、0.46×RVCI+0.3(術後)、0.2×RVCI-0.08(健常人)となった。術前、術後、健常人のプロット図は非常にきれいな線形状のグループとして分かれ、術前の線形回帰分析の直線の傾きの値をしきい値として手術時期を判断できる可能性が示唆された(International Anesthesia Research Society 2023で発表)。
3: やや遅れている
臨床業務が多く、なかなか研究にまで手が回らない。
成人先天性心疾患を中心にエコーと4D flow MRIによる血流解析をさらに進める。
学会出張費などを請求することがなかったため。未使用額は超音波画像解析装置のEchoPAC関連アップグレードの購入に使用予定。
すべて 2023
すべて 雑誌論文 (5件) (うち国際共著 4件、 査読あり 4件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 2件、 招待講演 1件)
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