研究課題/領域番号 |
22K16622
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
佐藤 洋 新潟大学, 医歯学総合病院, 特任講師 (00768666)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 局所陰圧閉鎖療法 / NPWT / インドシアニングリーン / 汚染創 / 創感染 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は腹部汚染創に対する局所陰圧療法(NPWT)の治療効果を簡便かつ客観的に予測できる指標を解明することである. 具体的には1)NPWT使用中の排液を採取し,組織内での増減が既存の研究で報告されているサイトカイン検査を行うとともに血球・生化学検査にて分析することで,サイトカインの代用となりうる指標を探索すること 2)フォーム交換時の肉芽所見をインドシアニングリーンの静脈内投与下で近赤外光観察することで肉芽増生を示す画像所見の探索を行う. 2023年度は研究2年目となり,前年評価、調整した1)2)の実験系に基づき症例集積を行った。症例集積が予定を下回っているが、データ自体の集積は問題なく行われている。 1)に関して、現時点でのデータでは、症例によるデータ傾向のばらつきが大きく、かつ時系列にて評価した際に治療成否との相関が一定しない傾向があるように考えられるデータであり、検査値以外にも治療成否に関わる要素が存在している可能性がある。集積手法自体は特に問題なく運用できており、このままデータ集積を行い、さらに検討・分析を重ねていく。 また、2)インドシアニングリーンでの肉芽評価も併せて施行している。2023年度は本研究で得られた所見の一部に関してシンポジウムでの発表「局所陰圧閉鎖療法施行中の肉芽増生に対するICG蛍光観察の経験(第6回蛍光ガイド手術研究会:2023.9 名古屋)」を施行し、知見の開示を行うとともに近似する内容の研究者からも情報を収集している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
過去実績から年間15例程度の症例集積を見込んでいたが、2023年度に集積された症例は6例にとどまり、合計15例の集積に留まる結果となった。人口に対して一定比率存在すると考えられる救急疾患群であり、当院の医療圏もこの数年で変化していないため、原因としては当地域の高齢化、急速な人口減少が関与している可能性が考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
上記の症例集積の遅れがみられるため、2024年は研究最終年度ではあるが、さらに5例程度の追加集積を行い、計20例程度での分析・成果発表を目指す
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次年度使用額が生じた理由 |
2023年度の症例数の下振れに伴い、薬剤・検査費などの必要経費が予想を下回ったため次年度使用額が発生した。予定を変更して2024年度も症例集積を行い、それに伴う薬剤・検査費等に繰り越し分を使用する。また、論文作成に伴う英文校正などの費用にも充てる見込みである。
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