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2022 年度 実施状況報告書

ヘパリンが白血球由来DNA放出を誘発する可能性についての検討

研究課題

研究課題/領域番号 22K16628
研究機関九州大学

研究代表者

十時 崇彰  九州大学, 大学病院, 臨床講師 (30813141)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2027-03-31
キーワードヘパリン / 白血球 / 敗血症 / Histone / DNA
研究実績の概要

敗血症に対して行われる治療の1つに持続的血 液濾過透析(Continuous Hemodiafiltration: CHDF)や体外式膜型人工肺(extracorporeal membrane oxygenation: ECMO)があり、集中治療領域で広く普及している。しかし、しばしば遭遇する問題の1つに回路内凝血がある。回路内凝血により回路交換を余儀なくされ、貧血、血小板減少、凝固因子欠乏を助長する。原因の一つに、敗血症では白血球細胞外DNAが内因系凝固因子である凝固第XII因子を活性化し血栓形成を引き起こすことが示唆されている。臨床現場では回路内凝血の予防に抗凝固薬のヘパリンが投与されているが、逆にヘパリン自体が回路内凝血を引き起こしている可能性が示唆されている。
本研究では「ヘパリンが白血球由来DNA放出を誘発し、回路内凝血を引き起こす」と仮説 を立て、基礎実験を通して仮説を検証してこれを明らかにし、治療として用いられるCHDFやECMO時の抗凝固療法の治療について新たな知見を得ることを目的とした。
まず、リポポリサッカライド(LPS)を用いて敗血症様の血液を作成し、そこにヘパリンを加えると、蛍光顕微鏡にて白血球細胞外トラップが放出されることを確認出来た。
次に、実際に盲腸結紮穿刺による腹膜炎モデルマウスを作成し、その血液にヘパリンを加えて、同様に観察を行ったところ、LPSと同様に白血球細胞外トラップの放出を認めた。また、血液中のdamage associated molecular patterns: DAMPsを測定したところ、ヘパリンに暴露された時間が長くなるほどにDAMPsが増えてくることも確認出来た。
マウスだけでなく、ヒトの血液でも同様の結果を得ることが出来ており、これまでの研究成果の論文化を進めている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

大学医局の協力のもと、実験を行うことができる日数が増やすことができた為、研究が進んだ。
また、当初は自身で各種マーカーの測定を行う予定としていたが、外部委託したことで想定よりも早く結果を得ることが出来た。

今後の研究の推進方策

現行の研究、実験を現行ペースで進めていく。
想定よりもかなり早く進められており、本研究を遂行すると同時に、派生研究についても検討を行う。

次年度使用額が生じた理由

実験が予定よりも進み、研究費が必要となったため。

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公開日: 2023-12-25  

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